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評者◆酒井隆史氏インタビュー
「おとしまえ」をつける――2010年代とはなんだったのか
賢人と奴隷とバカ
酒井隆史
No.3612 ・ 2023年10月28日




■D・グレーバーの『負債論』や『ブルシット・ジョブ』などの翻訳・紹介・研究者である酒井隆史氏の新著『賢人と奴隷とバカ』が亜紀書房より刊行された。読み進めていくと、思い当たるフシが多すぎて、途中で呆然と中空を見つめて考え込んでしまうことが多々ある良書である。本書をめぐって、著者の酒井氏に話を聞いた。(編集部)

■日本語圏の知的言説の「後退」

 ――『賢人と奴隷とバカ』は、二〇一二年から二〇二一年あたりまで、およそ一〇年にわたって書かれた「時事的テキスト」(必ずしもそればかりとはいえませんが)と書きおろしで構成されています。「時事的文章をまとめるなど、想像もしていなかった」といわれていますが。
酒井 もともとたいてい文章を書くときに、本というかたちの一部になるということが念頭にないんですよね。そういう個人の名でやっていけるような書き手ではない、という自己認識がひとつにはあります。ただ、そこで書いているように、二〇一〇年代は、この日本語圏が基底の部分から崩れていくといった感じだったんですよね、いまから考えれば、もう手の施しようもなく崩れていたのがむきだしになった、というか。現時点でも、その趨勢はなにも変わってないですが、でも二〇一〇年代は、二〇一一年以降、ある時期までパニック的精神...







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