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評者◆秋竜山
おこりっぽい人たち、の巻
No.3570 ・ 2022年12月10日




■ある日のことです。父がボクに、「お前、おこったことがあるか」と、いいました。ボクはこたえました。「ボクだっておこることはあるさ、笑ってばかりいられないもの」と、こたえました。すると、となりできいていた母が「あたしだっておこるわよ」と、いいました。すると父が「おまえは毎日おこってばかりいる、そんなにそんなに毎日おこりたいのか」と、いうと母が「あたしだっておこるわよ」と、いいました。そして、父とボクにむかって「だって、おこらないとおもっても、おこることばかりするんですもの」と、いいました。わが家は、「よその家とちがっておこりっぽい人のあつまりね」と、いって三人で大笑いしました。
 備瀬哲弘『精神科医が教える 「怒り」を消す技術』(集英社文庫、本体四六〇円)では、
 〈第一章 イラッときたときの対処法
 ――まずはとにかく「考えない」
 ――ガムをかむ
 ――他人の声を頭で追いかける
 ――においを嗅ぐ
 ――音楽を聴く
 ――顔を洗う
 ――とにかく歩く
 ――心の叫びを書く
 ――筋肉の緊張を解く
 第二章 なぜ怒りをコントロールする必要があるのか?
 ――なぜ怒ってはいけないのか
 ――心は安らぎを渇望している
 ――怒ってよかったことはあるか?
 ――人生に無駄な時間はない
 ――怒りのコントロールは人生のコントロール
 第三章 四つの視点から怒りを知る
 ――健康な人はだれしも怒る
 第四章 怒りを外側に出す人と抑える人 
 ――怒りにはよい側面もある
 ――怒りを表す人と隠す人
 ――怒りが高血圧を呼ぶ
 第五章 自分の怒りのタイプを知る 
 ――怒りの個性は人それぞれ
 ――短気な人は病気になりやすい
 ――怒りのタイプを客観的に知る
 第六章 怒りを収める最終段階でのテクニック
 ――怒りを書き出す
 ――相手との関係性を評価する
 ――相手に期待する行動を伝える〉
 〈怒りについて考えることは、自分自身と向き合うことです。その意味では、本書の執筆は、私にとって自分自身の怒りと向き合う貴重な経験となりました。怒りについて原稿を書き進めるためには普段よりも深く内面を見つめなければなりません。正直なところ、それはつらい時間でもありました。しかし、そんなときにこそ、「どうしてもこの本をまとめたい」と不思議と強い決意を持ったものです。〉(本書より)
 サア困った。ボクは毎日ちょっとしたことでもすぐ怒ってしまう。それをきいて父と母も、私たちもそーだからちっともおそれることはないよ、といいまして、そして父と母とボクの三人は毎日怒ってばかりいます。
 まいった、まいった。







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