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評者◆秋竜山
仏さまに手をあわせる、の巻
No.3569 ・ 2022年12月03日




■ある日のことです。父がとつぜんいいました。「お前、本を読んだことがあるか」と。ボクは、その質問にそくざに答えました。「バカにしないでください。ボクだって本を読むにきまっているさ」。すると母がいいました。「私だって本ぐらい読むわよ」。すると、父がいいました。「ヨシ!! それではおしえてあげよう」。
 末木文美士『日本の思想をよむ』(角川ソフィア文庫、本体九六〇円)では、
 〈第一章 自然と人間 
 ――空海「弁顕密二教論」
 ――鴨長明「方丈記」
 ――二宮尊徳「二宮翁夜話」
 ――宮沢賢治「二十六夜」
 ――南方熊楠「土宜法龍宛書簡」
 第二章 死者からの問いかけ 
 ――源信「往生要集」
 ――慈円「愚管抄」
 ――平田篤胤「霊の真柱」
 ――柳田国男「先祖の話」
 ――田辺元「メメントモリ」
 第三章 超俗から世俗へ 
 ――最澄「山家学生式」
 ――法然「選択本願念仏集」
 ――叡尊「感身学正記」
 ――夢窓「夢中問答集」
 ――蓮如「蓮如文集」
 ――鉄眼「化縁の疏」
 第四章 身体への眼差し 
 ――栄西「喫茶養生記」
 ――明恵「夢記」
 ――聖戒「一遍聖絵」
 ――世阿弥「風姿花伝」
 ――一休「狂雲集」
 ――白隠「夜船閑話」
 第五章 仏教の真髄 
 ――親鸞「教行信証」
 ――道元「正法眼蔵」
 ――無住「沙石集」
 ――不干斎ハビアン「妙貞問答」
 ――鈴木正三「驢鞍橋」
 ――富永仲基「出定後語」
 ――和辻哲郎「古寺巡礼」
 第六章 「日本」とはなにか
 ――本居宜長「紫文要領」
 ――内村鑑三「基督信徒のなぐさめ」
 ――中山みき「みかぐらうた」
 ――鈴木大拙「日本的霊性」
 ――西田幾太郎「場所的倫理と宗教的世界観」
 ――丸山眞男「日本の思想」
 第七章 社会と国家の構想
 ――日蓮「立正安国論」
 ――伊藤仁斎「童子問」
 ――吉田松陰「講孟余話」
 ――福沢満之「文明論之概略」
 ――清沢満之「精神主義」〉(本文より)
 サァ、困った。ボクは、仏さまをおがんだことがない。父にいうと、母も、「私もおがんだことがない」と、いった。
 そして、毎日仏さまに手をあわせている。







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