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評者◆秋竜山
絵の具の色、の巻
No.3544 ・ 2022年05月28日




■布施英利『遠近法がわかれば絵画がわかる』(光文社新書、本体八八〇円)では、
 〈色彩の、すべての色を混ぜると何色になるでしょう。絵具の色を混ぜてみると、どんどん暗い色になっていきます。そして最後には黒になります。では絵具という物質でなく、すべての「色」を混ぜると黒になる、ということになるのでしょうか。色は、絵具だけにあるのではありません。光にも色があります。光の色は、絵具の色と違って、混ぜると明るくなっていきます。つまり、すべての光の色を混ぜると、無色透明になるのです。これを白というなら、色は絵具(色材といいます)を混ぜると黒に、光(こちらは色光です)を白になる、ということになります。つまり白と黒というのは、色の中でも「極限の色」ということができます。〉(本書より)
 そういえば、小学生の頃、絵の具を使って風景画などを描いていると、パレットの中にまぜあわせた七色の絵の具の色が、どんどん黒味をおびていき最後にはまっくろになってしまった。絵の風景画はまっくろにぬりつぶされてしまうことになるのであった。つまり、画用紙に描かれた風景画は、まっくろの風景画になってしまったのであった。その風景画を展示され、私の風景画だが画用紙のまっくろの風景画となり、結局は画用紙には風景というよりか、まっくろにぬりつぶされたものだけになってしまったのであった。みんなの風景画にまじって私の画だけが、まっくろであった。「なんだこの絵は、ただ黒色でぬりつぶしただけではないか」、ハイ!! 真夜中の風景ですという題名にしたのであった。みんな笑い自分でも笑った。真っ赤にそまった秋の山を赤色だけで描き真っ赤な山の風景画というよりか、画用紙が真っ赤にぬりつぶされたものになってしまったものであり、これも笑ったのであった。
 〈遠近法の効果でいうと、白が手前に、黒が奥に見える、ということになるわけです。では四原色による色彩の遠近法と、白と黒では、遠近感の効果は、どういう順番になるでしょう。四色に加えて二ですので、六つの色の色彩の遠近法です。これは、白が赤よりも手前に、黒が青よりも奥に見える、ということになります。つまり、こうです。
 黒↓青↓緑↓黄↓赤↓白
ですから、色彩の遠近法では、白が極限の「近」で、黒が極限の「遠」ということになります。〉(本書より)
 これも小学生の頃の体験ということになるが、絵の具には、他の色にまじって白色というのがあるが、はたして白色というチュウブに入った絵の具が必要であるか、無くてもよいのではないか。絵の具に白色など存在する必要がないのではないかということであった。そして、白色も他の色の絵の具に混ぜると、やはり黒色に混ぜあわさってしまうということだ。白色という色が必要ないとはいえない。ペンだけで描いたマンガなど、あやまって描いた余分な線などを白で消したりする。まさか色のついたもので消すわけにはいかないだろう。白以外で消したりしたら、「なんだ、この色は」と、消したことにはならないだろう。まさか、その上を白色で消すわけにもいかんだろう。







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