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評者◆伊達政保
やはり野外フェスはこうでなくちゃ――新型コロナウィルス第3波前の11月前半、湘南ふじさわジャズミーティングと「森と川と焚火の音楽祭」
No.3475 ・ 2020年12月12日




■冬を迎え、新型コロナウィルスが第3波に入り感染が急拡大している。しかし11月前半までは現在のような状況にはなかったので、それまで中止や延期に追い込まれていた野外フェステイバルなどが、徐々に開催されるようになっていた。
 藤沢駅を挟み北口デッキ広場のメインステージと南ロデパート前のストリートステージで行われた、湘南ふじさわジャズミーティング。今回、沿線でもあり初めて出かけてみた。地元ゆかりのプロミュージシャンやアマチュアバンドなど多彩なラインナップ。おっ!70年代ファニア・オールスターズの影響を受けた世代の本格的なサルサバンド、ロス・ボラーチョスも出演していた。市民が楽しめる地方都市型の街中フェスの典型のようで多くの人が訪れていたが、それでも感染対策で検温、消毒、ソーシャルディスタンスの徹底などしっかり行われていた。
 翌週は15年ぶりに、武蔵五日市駅から徒歩20分ばかりのキャンプ場「深澤渓自然人村」へ。以前はここで毎年「あきる野芸術祭」が行われ、渋さ知らズオーケストラなどが出演していたのだ。そうそう18年前にこの欄で書いたっけ。今回は「森と川と焚火の音楽祭」というイベントで、あきる野ゆかりのミュージシャンたち、なんと渋さ知らズと民謡クルセイダーズなどが出演するというのだ。
 道路沿いの入り口近くには地域マーケットやフードの店そしてサブ・ステージが並び、入り口では検温、消毒の他にウイルス接触確認アプリの設定が義務付けられていた。渓谷の急な坂を下ると15年前と変わらないバンガローなどが並んでいる。渓谷沿い休憩所はご時勢で喫煙所となっていた。広場のステージは改修され準常設の野外ライブ会場となっており、客席もベンチではなく間隔を空けたディレクターズチェア。まさに三密を避けた会場だ。ステージ前には大きな焚火、会場の数か所に小さな焚火が燃えている。回りにはイノシシラーメンや鮎の塩焼きなどご当地スローフード、ビールやワインなど酒類も豊富。やはり野外フェスはこうでなくちゃね。
 日本民謡とラテンリズムを融合させた民謡クルセイダーズは、戦後、見砂直照と東京キューバンボーイズなどの試みを発展させていた。本格的なラテンバンドに正調民謡を乗せている。江利チエミのラテン民謡のように歌い崩さず、リズムに乗るとは、素晴らしい。転換の間に川辺ステージで勝井祐二(バイオリン)×オオヤユウスケ(ボーカル、ギター)、川のせせらぎに相応しい。夜の焚火が燃え盛る中、渋さ知らズは圧巻、演奏とダンス、舞踏が良く映える。野外フェスは2月以来だが、感染拡大の中、次はいつになるのだろう。







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