|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
評者◆秋竜山
郵便ポストのスゴいデザイン、の巻
No.3318 ・ 2017年09月09日
■郵便ポスト。なんとも奇妙な形をしている。そんなことを誰も考えもしないだろうし、不思議がったりしない。なんとも感じないというのが正常だろう。ところが、「ちょっと待てよ」と、頭の上に「?」符を置いてみよう。やっぱり異形な物体であることがわかる。箱にポッカリあいた口のような……。これこそ、時代をこえたデザインというべきだろう。いくら時代がたっても古くさくない。これ以上省略のしようがない非常に原始的であるからだ。もし、原始時代にあの郵便ポストが立っていて、その横に原始人がいたとしても、ちっとも変な光景ではないだろう。その昔、みんな私が悪いのよ、郵便ポストが赤いのも、みんな私が悪いのよ……。と、いうような歌があったが、たしかに、郵便ポストの赤い色は、乙女心を感傷的にさせるものを持っていた。もちろん、今でも郵便ポストは赤いけれど、そーでない色になってしまっている郵便ポストもあったりする。話題の達人倶楽部編『日本人の9割が答えられない世界地図の大疑問一〇〇』(青春文庫、本体七〇〇円)で〈郵便ポスト〉のことにちょっとふれている。
〈かっての日本の郵便ポストは、独特のデザインで親しみがあった。赤い、円筒形の背高のポストのことだ。赤い帽子を被ったようなたたずまいが、なんともいえずレトロな雰囲気を醸していた。今でも、そのままの赤いポストを置いている郵便局や小学校があるほど、いつまでも人気が衰えないのがこのポストだ。〉(本書より) 郵便ポストは、人類の考えだした文化といえるし芸術ともいえるだろう。そして、あのポストにある、投函口。口のないポストなどありえないだろうが、あの口ほど人間の心理をうむものはない。あの口の中へ郵便物を投函するということは、中へ入れても安全であることを保障しているということである。あの口が無言でうったえている。それを人は信じているということである。あの郵便ポストの口から郵便物を盗み出したなどというニュースを一度も聞いたことがない。郵便物など盗んでなんの得があるのか、損得の問題なんだろうか。盗めば犯罪ということになるということもあるだろう。 昔から、郵便ポストをテーマにした数多くのマンガがある。そして、投函した後に急におそう不安のようなものも多分多くの人が経験しているだろう。まず、第一に考えることは、今、入れたばかりなのに、果たして郵便物は上手に入っただろうか? ポストの前に立ったまま「どうしようか?」なんて、考えたりする。一旦入れたものは、たとえ自分の物であったとしても無断で取り出すことはできないことになっている。無駄とわかりながら、ポストの口の中へ指先を突っこんでみたりする。結局は、あきらめるしかないのである。ポストを後にして二、三メートルしてふりかえる。ふりかえらずにはいられないのである。外国の有名な一〇〇年以上も前のマンガであるが、切手をはって投函したはずなのに自分の指先にその切手がついている。というのである。これは世界的笑いである。投函した後、ポストのまわりを三回まわらなければ離れられないという人もいたりする。ケータイとかスマホの時代だという。だから、どーなんだ? という声がポストの口の中からきこえてきそうな気がしないでもない。 |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
取扱い書店| 企業概要| プライバシーポリシー| 利用規約 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||