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評者◆ベイベー関根
あ、原作のジェーン・スーさんはコラムニストの方です。
未中年
ジェーン・スー原作、ナナトエリ漫画
No.3306 ・ 2017年06月10日




■今回は、カメントツさんの新刊が2冊出たんで、それをとりあげようかなーと思っていたんだよね、『カメントツのルポ漫画地獄』と『カメントツの漫画ならず道』1巻。カメントツさんはWEBサイト「オモコロ」のライターをやってた方で、そのルポ漫画はときどき見てて面白いなーと思ってたんだよね。最近は『月刊少年サンデー』とかでも仕事をしているらしく、それがまとまった時点で昔の仕事もまとまった、ということらしい。よかったなあ、カメントツさん。でも、いきなり2冊買うのもなー、と逡巡してたら、本屋さんの店頭に、最近あるじゃん、試し読み用の冊子が。それで『漫画ならず道』を読んでみたら、なんと! しょっぱなから西原理恵子が現れたではないか! オレは西原理恵子が昔っから大嫌いなんだ!!!! だもんで、こんな本、絶対取り上げてやんねーと思って、『ルポ漫画地獄』だけ買って読んでみたんだけど、うーむ、面白いものもある、そうでないものもある……。微妙だな~、ということで、今回はとりあげないことにしました! 次回がんばってね、カメントツさん!
 さて、その西原にひきかえ、ジェーン・スーさんはエラいな~、ということで(理由はヒミツ)、今回の作品は、原作:ジェーン・スー、漫画:ナナトエリ『未中年』ざんす!
 片山亜弥、40歳、編集プロダクション勤務。香水の匂いがキツいイケイケな社長にイジめられたり、後輩から軽くなめられたりしながらも、情報誌編集の仕事に明け暮れる毎日。家に帰れば、結婚して12年になるTV番組制作の下請会社に勤める夫が待っている(あるいは、いない)。「旦那」「家」「仕事」、すべて揃ってはいるものの、亜弥の心には30代のころの情熱はもはやなく、社内で企画は全然通らず、身体中にはお肉がつきまくり、今や唯一の楽しみは、仕事帰りに買う氷結ロングというありさま。そんなとき、近所に開店したコンビニの若い男性店員に声をかけてもらって有頂天になる亜弥。ふと我に返って、「あれ? アタシの人生、どこで間違えた?」一方で、ろくに会話もしなくなって久しい夫からは、会社辞める宣言が!
 てなわけで、いまだ人生に惑いまくるアラフォー女の生きざまを問う意欲作、かな!? 昔、アラサーでそういう話読んだ気がするとか、もっと悲惨な人いるじゃんとかいう話は置いといて、いま人生に迷ってる人のある典型を描くことには成功してると思うので、かわいがってやってよ。
 たぶん最初から1巻で完結という枠だったと思うので、それほど意外な展開があるわけではない(しかし、情報はツメツメ)。ラストは、ちゃんと人生に立ち向かいつつ、希望のもてる落としどころ。でも、そういうちょっとした甘みがね、ツラい人には必要なのよ。エゲツなさをえぐったり、逆に甘ったるくしたり、ケツをまくったりするだけじゃね。とりあえず、スクワットから始めよう!







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