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評者◆ベイベー関根
インドの街中で(脱力の)修行をした男。
ひまわり
仲能健児作品集
アジア夜話
仲能健児作品集
No.3257 ・ 2016年06月04日




■こないだ『将棋の渡辺くん』取り上げたじゃん? あれいくらだったっけと思って表4見たら、何も書いてないんだよねー。それどころかバーコードもなくてさー。あれー、と思ってたんだよねー。その後、黒田硫黄『アップルシードα』を買って、あれいくらだったっけと表4見たら、やっぱり値段もバーコードも書いてなくてさー、何だこりゃ、最近はこれでいいの? と思ってたら、いま講談社のマンガって、出荷の時点でシュリンクされてて、それにバーコードとか印刷したシールを貼ってんのね。デザイナー的にはそれでいいんだろうけど、後で定価がわかんなくなるってのはどうなのかねーと思ったなー。もうひとつぼやきたいことがあるんだけどさ、それは次回に回しとくな。
 今回はそういういまイチ身体に力入んない感じによく似合うマンガを取り上げるぜ。仲能健児『ひまわり』『アジア夜話』だ!
 仲能健児といえば、90年代からインドをテーマにしたマンガをポツポツ描き継いできて、21世紀に入ってからは、作品発表ペースも不定期あるいは途絶えがちに多くなり、忘れたころにときおり本が出るって感じになっちゃったなー。まあ、独自の位置を築いているといえばいえるのかもしれんけど、ふだんは何やってんのかねー、インド雑貨屋さんとか?(絶対やってないと思う)
 で、今回またしても久しぶりに出た2冊は、90年代の作品を中心に新たに編集された作品集。『ひまわり』は、なぜか日本に対して戦闘態勢をとってきたインドに対抗するために、拉致・改造された日雇い労働者、鈴木一夫あらためコードネーム「ひまわり」の活躍だか冒険だかよくわからない成り行きを描いた表題作を中心に、日本を舞台にした短編3作を収録したもの。『アジア夜話』は、以前にも単行本になっている『インドにて』を中心に(というようなことも、シュリンクされているとわからんわけよ!)、21世紀に入って『コミックビーム』に散発的に掲載されたアジアものの短編を集めた一冊。
 一度見たら忘れられない
オリジナリティ溢れまくる絵柄(ただし、めちゃくちゃうまい。美大とか行ってるんじゃないのかなー)。そこに描かれるのは、ほこりっぽい風に吹きさらされ、如何ともしがたさを抱え込んでいる人間の姿、そしてドロリとしたエロティシズムがにじむ妄想の数々。うーん、たまらん。これに比肩しうるのは、日本では(というのもヘンだけど)東陽片岡くらいか? お東陽先生は、最近スナック勤めで話題になったり、鉄割アルバトロスケットに客演したりしているが、しかし仲能さんはそんなタイプでもなさそうだからなあ……。願わくは、この2冊が売れてくれて、仲能さんが新作をバリバリ描く気になってくれんことを! それと、これを読んで気になった人は、2005年に青林工藝舎から出た『猿王』もチェックだ!







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