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評者◆ベイベー関根
みんなまとめて、めんどうみたョ~~。
有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。
ドリヤス工場
女神たちと
河井克夫
No.3236 ・ 2016年01月01日
■タイトルでウケた人はGGね。
こないだここでwebトーチ発の本を何冊か紹介したけど、実はもう1冊取り上げたいのがあったんだよ。したら、ちょうど対になるような本が出たので、まとめて片づけてやっか! まず、ドリヤス工場『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』。タイトルどおり、太宰治からトルストイまで、めんどうみたョ~。 とはいえ、企画としてはありがちでしょ? 実際、文庫とかで、文学の名作をマンガに、なんてのは珍しくもなんともないしさ。ところが、本書の場合はちょっと様子が違う。何が違うかというと、驚くべし、何と絵が水木しげるなのだ! といっても、ドリヤス工場が水木しげるにそっくりの絵が描けるってことなんだけど、絵だけじゃなく、コマ運びや空気感まで再現できるので、その気になれば「二代目」を名乗れそうな勢い。 こういうのをパロディでやる人はいるよね、田中圭一とかさ。だけど、ドリヤス工場の場合は、脳内の水木しげるソフトを使った上で、勝手に遊ぶというよりか、水木しげるが現役バリバリだったら(いや、まだ現役だけど、バリバリではないからさ……)、こういう表現もしてたっしょ、みたいな新領域を切り開いてる観があるんだよね。 もちろん、ドリヤス工場の原作咀嚼力にも、並々ならぬものあり。ただし、編集担当者にいいたいけど、「森鴎外」で「鴎」の字使うのやめろや。 もう1冊は、河井克夫『女神たちと』。河井本では、昔『猫と負け犬』をとりあげたことがあるんだけど、今回はちょいと事情が違う。何が違うかというと、さっきのドリヤス工場は、原作は別の人、絵が本人だったわけだけど、この神話をモチーフにした短篇集では、河井克夫が女性作家とコラボレーション、河井はほぼ原作に専念、絵は女性マンガ家6人に描いてもらってるのな。近藤ようこ、二宮亜子、安永知澄、原百合子、おくやまゆか、やまじえびね、そうそうたる顔ぶれを相手に、めんどうみ(てもらっ)たョ~。 実は、河井克夫はこれ以前にも原作のみを担当した作品がいくつかあって、原作を提供する方が売れるんじゃ? と思う人もいそうな気配だが、本書は、まさか本当にそうなるんじゃ、と心配したくなるほどの傑作揃い。特に、近藤ようこ作画の「蛍の僧都のこと」は、え、コレ『今昔物語』に元ネタあるんでしょと思っちゃうくらいの完成度。爆笑&号泣必至なり! コラボ相手はもうひとりいるんだけど、映画監督の横浜聡子が原作担当、河井が作画をしてる作品があって、これがまたヨイ! やっぱこの絵は貴重だよ。もう字数がないので、詳しくは現物でご確認されたし! まあしかし、あれだな、昔はオリジナリティってのはスタイルやタッチのことだったけど、今やそれはソフトであって、継承したり分担したりできるものなんだなー。……と思ったら、なんと水木しげる先生の訃報が飛び込んできた! なんてこった! R.I.P. |
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