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評者◆竹原あき子
百貨店の書店は読書室
No.3232 ・ 2015年11月28日




■パリのマレ地区にBHVという百貨店がある。小さな店舗だが、この百貨店の特徴は、地下すべてがDIYのコーナーになっていること。職人の賃金が高いから一般人は自分でほとんどの修理や工作をする。バカンスと土日をつかって一人で家をたててしまうサラリーマンさえあるほど。もちろん地震がほとんどないから、建築士の資格を取るにも構造の試験はないほどだから簡単に家屋が建つ。専門の職人が使う工具や材料が売り場いっぱいにあり、職人でもある店員が丁寧に使い方を説明してくれるDIYファンの聖域なのだ。部品の一部加工も無料でお願いできる便利さも人気の原因。もちろん他の階にあるワークショップのような工芸部品売り場や、インテリア部品の充実は他店をよせつけない、どちらかといえば庶民の店舗だ。
 そんな百貨店に書籍部門が2013年に誕生して住民を喜ばせた。496平米で3階にあり、マレ地区では最大の書店ということになる。もちろんパリの書店は店主の主張を反映し、得意とするジャンルがはっきりするが、マレに集まる外国人旅行者のための観光コーナー、文学と生活にかかわる分野、漫画、児童、そして芸術などに力がはいっている。なにより目を惹いたのは読書コーナー。卓上におすすめの本が平積みに、明るい読書灯、そして椅子、と贅沢だ。何冊でも,好きなだけ読んでいても叱られることはない。
(和光大学名誉教授・工業デザイナー)







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