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評者◆ベイベー関根
日本アラサー女子はフランスアラサー女子の夢を見るか?
ジョゼフィーヌ!――アラサーフレンチガールのさえない毎日
ペネロープ・バジュー
エロイーズ――本当のワタシを探して
ペネロープ・バジュー&ブレ
No.3230 ・ 2015年11月14日




■いやー、やられたねー、前回、この原稿が9月中に載るかどうか……みたいなことを書いたら、しっかり9月中に掲載されちゃったからね、さすが図書新聞、おみそれしました!
 さて、今回も洋モノネタなんだけど、前回はアメコミ、今回はBDだ!
 去年の暮れに、ペネロープ・バジューっていうマンガ家の『ジョゼフィーヌ!』って本が出てさ、それがけっこうよかったんだよね。ひとことでいえば、フランスのアラサー女あるあるネタを集めてひとつのお話にしたような、いうなら『セックス・アンド・ザ・シティ』みたいな作りなんだと思うんだけどな。
 胸に比べてお尻が大きいのが悩みのOL、ジョゼフィーヌは現在彼氏募集中!いい男はいくらでもいるけれど、ぴったり来る相手を選ぶのはなかなか難しい。別れた彼と同僚がいっしょのところにパーティで出くわしたりとか、さんざんな目にもあったりもするジョゼフィーヌに、はたしてステキな彼は現れるのか!!
 日本の女子も共感するとこ大だろうなとか、逆に男のとっかえ方とかはなかなか自由そうでいいじゃんとか、日本の同系統のものと比較するのもなかなか楽しいし、絵もかわいくて、色使いもかなりオシャレ。というか、このページ数フルカラーで、1800円+税ってのが非常~にうれしいね!
 んで、今年はそのペネロープ・バジューと男性作家ブレが組んだ作品『エロイーズ』が出たわけだ! こちらはまた『ジョゼフィーヌ!』とは全然違って、わりとしっかりしたストーリーもの。
 ある日、女の子が路上のベンチで目を覚ます。ところが、さっきまで何をしていたのか思い出せない。それどころか、家に帰ろうとしても家がどこだったか、自分の名前が何だったのかも思い出せない……記憶喪失? ピーンチ!! !!
 とりあえずバッグの中にあったメモをもとに、自分の名前がエロイーズであることはわかり、なんとか猫が待つ自宅まで帰ることはできたものの、なぜこんな事態に陥ったのかなどはまるでわからないまま。
 私はどんな人間だったのかのか? 某国のスパイだった? ロマンティックで辛すぎる別れを経験した?それとも宇宙人に拉致されて開頭手術を受けた?
 記憶がなくなる前の自分を取り戻すため、エロイーズはCTスキャン、催眠術、精神分析まで使って真相解
明に挑むが、症状はいっこうに改善の気配を見せない。一方で、彼女自身には特筆すべき才能もないようだし、さして意外な出来事が起こるわけでもない。いつしか彼女の日常や孤独は、読者にも伝染しはじめる……。そして、何の手がかりも得られないことに焦り、苛立ちを極めたエロイーズがたどりついた考えとは?
 ということで、サスペンス&「自分探し」みたいな、しかし最後には、明日に向かって一歩を踏み出す勇気をもらえる良作です! それではまた次回、アデューモナミ~。







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