書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆竹原あき子
異色は国防省の出店
No.3211 ・ 2015年06月20日




■フランスが国家として参加し、ブースを展開しているのは文化省と国防省だった。
 文化省はフランス語の国際的な交流を面白くわからせる展示をして好評だった。
 国防省は、軍隊の過去と現在そして未来の文化的な業績をみせた。展示は五つのブースで行われた。陸海空の三つがあるのは当たり前だが、他にも過去の国防資料のブース、国防を広報するビデオやCDなどの資料のブースがあった。
 販売のために机に並んだのは200冊の現役軍人の著作である。戦争の歴史書があるだけではない。最新のドローンの研究書、最新の軍艦、最新の戦闘機の解説書、戦争で活躍した動物物語がある。さらには少女のモラルを指導する神父など、戦いとは遠いテーマもある。
 だが、制服の現役軍人が展示と説明にかかわっているのが不思議だ。コロネル(大佐)という肩書きの著者に聞けば、業務中に原稿を書くわけではないという。この日も休暇をとって会場にいるそうだ。
 現役軍人がサロン・ド・リーブルという出版文化に参加して本年で6年目になるというが、どこか不穏な要素を感じるのは筆者が憲法9条のもとで暮らしてきた日本人だからにちがいない。
(和光大学名誉教授・工業デザイナー)







リンクサイト
サイト限定連載

図書新聞出版
  最新刊
『新宿センチメンタル・ジャーニー』
『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
書店別 週間ベストセラーズ
■東京■東京堂書店様調べ
1位 マチズモを削り取れ
(武田砂鉄)
2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
(山下賢二)
3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
(村上春樹)
■新潟■萬松堂様調べ
1位 老いる意味
(森村誠一)
2位 老いの福袋
(樋口恵子)
3位 もうだまされない
新型コロナの大誤解
(西村秀一)

取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約