■フランスの電気エネルギー会社、Gdf Suezeは初めてサロン・ド・リーブルのパートナーとなり、中学生から高校生のためのエネルギー教育として「エネルギー転換」のコーナーをつくった。フランス政府の方針に沿った企画だが、著作を直接広報するものではない。
　催しは３種類。ネット出版で活躍するアーティスト、若者に人気があるマンガの作家、そしてGdf Sueze会社の関係者がそれぞれアニメーターとなって建築、交通などのエネルギーの浪費を防ぎ、廃棄物をどのように活用し、
再生可能エネルギーをどうしたら増やせるかを国と地方、そして日々の生活から学ぼうというものだ。
　３月２０日の企画に驚いた。５、６人の高校生がテーブルを囲んで真剣に講師の話に聞きほれていたからだった。こんな真摯な姿は授業では見られないと聞いていた。近くの係員に質問したら、人気作家がテーブルでデッサンをして、エネルギー節約を解説しているからですよという答えに納得。もちろん高校生の眼はデッサンにあったにちがいない。とはいえ、省エネの内容も心に響いただろう。というのは、活躍中の作家のデッサンには説得力があったからだ。
（和光大学名誉教授・工業デザイナー）