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評者◆竹原あき子
マンガコーナーには未来の読者が集まる
No.3208 ・ 2015年05月30日




■サロン・ド・リーブルは出版業界以外の来客も大歓迎する。ここ数年は未来の読者を育てる努力がめだつ。「読書に近づく最短の道を教えよう」というものだ。最大のイベントは著者のサイン会。そして招待国の書籍の展示と講演。2014年もそうだったが料理本コーナー、そして旅行本が2015年の注目コーナーだった。
 だがなにより未来の読者が集まるのは子どもの絵本とマンガ。当然、日本の漫画の翻訳本が並ぶ。10社を超えるだろうフランスの日本マンガ翻訳出版社はそれぞれ著者を招いてのサイン会を開く。一般公開初日をにぎわしたのは、『有害都市』(poison city)の作者、筒井哲也だった。比較的年齢層が高い50人ほどが行列していた。MANGA大好きのフランス読者のなかで、1980年代にテレビアニメ「ドラゴンボール」にのめり込んだ少年たちも、マンガファンに成長しサイン会に来ていたようだ。聞けば、『有害都市』は日本での単行本の出版に先行してフランスで刊行され、大成功しているという。ストーリーはオリンピックを間近に控えた日本政府が環境浄化をスローガンに、あらゆるメディアに規制をかけ、漫画も規制の対象になる、という物語だ。表現の自由をテーマにする筒井哲也作品が、テロ直後のフランスで話題にならないわけはない。
(和光大学名誉教授・工業デザイナー)








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