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評者◆竹原あき子
フランス一の出版社がボイコット
No.3206 ・ 2015年05月09日




■2015年3月19日「プレス」、20日から23日まで「一般」という日程で35回目の「本の祭典」サロン・ド・リーブルがパリで開かれた。入場制限があるほどのにぎわいにみえたが、入場者数はほぼ18万人。2014年より10%減った。とはいえ、パリで頻繁に開かれる国際展示会のすべての入場者数は減少傾向にある。原因は経済というが、フランスの地方選挙が22日にあり、地方からの参加者が選挙を選んだせいかもしれない。会場に放送局をつくり、生番組を放送し続けてきたラジオフランス(日本のNHKに当たる)の職員ストライキも参加者減少の原因の一つだった。
 それでも出版社1200社、著者3万5000人が出席する祭典だった。ノーベル文学賞に輝いたモディアノの諸作品、ウルベックの『服従』、ピケティの『21世紀の資本』などがベストセラーの棚に並んでいた。
 1826年創業の老舗、フランス第一の出版社アシェット・グループが参加を取りやめた。経済的な理由という公式声明はあったが、シャルリー・エブド新聞社へのテロが原因だったようだ。事件以来、アシェット社への脅迫電話があったからだ、という。シャルリー・エブド社へのテロは少なからず出版社の自由を奪ったが、会場には奥に「表現の自由」という横断幕があるだけだった。目立ったのは会場前の地下鉄駅出口に立っていた武装した兵士3人の姿だった。
(和光大学名誉教授・工業デザイナー)







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