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評者◆レポート
東京書庫が自信を持って勧める「蔵之助」書籍保管の専門家ならではのサービス――天然ハーブを使用した燻蒸と徹底した環境管理で大切な書籍を保管
No.3153 ・ 2014年04月05日




■一般の倉庫業者とは一線を画すサービス

 書籍保管の専門倉庫である東京書庫は、その名のとおり本を対象にした倉庫業者。一箱単位で保管できる「ブック・キープ・サービス」、目録作成と一冊単位で取り出すこともできる「ブック・キープ・サービス・プラス」などのサービスを提供している。中でも本を燻蒸して、環境管理されたスペースで預かる「蔵之助」は、何でも預かる倉庫業者とは一線を画す、本の専門倉庫業者ならではのサービスだ。
 同社の黒図諭志氏は、「自宅にある書籍を預かるだけの単なる倉庫業であってはいけないというところから、『蔵之助』のサービスはスタートしています。大学図書館等の仕事を通して、古い本や貴重書の保管について日頃から相談を受けていました。というのも、そのような専門機関で働く司書の方の頭を悩ませているのが、虫やカビだからです。そこに目を付けました」と話す。
 本の回りには、実は害虫やカビなど、さまざまな〝外敵〟が潜んでいるという。そして知らぬ間に、本は劣化してしまう……。そのような生物による劣化などから本を守り、未来へと残すために「蔵之助」は生まれた。ただ保管するだけではなく「燻蒸をお勧めしたいのです」と強調する。

■天然ハーブを使用した燻蒸装置を導入

 同社の特長は、ただの燻蒸ではない。日本でも従来から燻蒸する装置はあったが、特定化学物質に指定されたガスを使用しているため、「引火性、発ガン性など人体、環境に有害なもの」だそうだ。しかし同社の燻蒸には、ハーブ抽出物が主成分の天然消毒剤を用いた「世界初の殺虫・殺カビ燻蒸装置」である「バイオ・マスターBM―60AC」が使われているのだ。
 「バイオ・マスターBM―60ACという装置を韓国から購入しました。最大の特長は天然ハーブを使っているため、人体、環境にも安心・安全ということですね」。日本上陸第一号ということもあり、導入にはさまざまな苦労があったという。しかし「この装置に匹敵する性能を持つものはなかったので、これ以外を買うという選択肢はありませんでした。もしもこの装置がなかったら「蔵之助」は成立しなかった」と、バイオ・マスターへの厚い信頼をのぞかせる。
 また保管についても、プロフェッショナルだからこその環境を用意している。「蔵之助」専用倉庫の特長を幾つか挙げてみよう。
 (1)保管には中性紙箱を使用
 (2)害虫を防ぐため書庫は常時天然抗菌剤を噴霧
 (3)カビを防ぐため温度20℃±5℃・湿度50%±5%に保持
 (4)紫外線による紙の劣化を防ぐためLED蛍光灯使用
 (5)外部からの土・ほこりを防ぐため入り口にはクリーンマット設置
 紙の酸化はpHの低下によるもの。だからより中性(pH7.0)に近い中性紙箱を使い、空気中の酸から防御。また温度・湿度管理は、ただ一定に保っているだけではなく、二四時間三六五日のデータを収集し、変化を見逃さないようにしているとのこと。個人はいうまでもなく、図書館などの専門機関でも、ここまでの対応はなかなかできないだろう。

■専門性の高い倉庫として常にベストの解答を提供

 「このサービスを始めたことで、図書館等から、専門性の高い倉庫という評価をいただき、東京書庫という会社の知名度が更に上がりました。反面、燻蒸や整備された保管環境で本を劣化から守るということを意識する機会が少ない個人のお客様への訴求がまだ足りていないかなと感じています」と黒図氏。「お預かりした本は一冊、一冊、丁寧に点検してから燻蒸しています。そしてこだわりの書庫で預かります。燻蒸から保管までをパッケージにしてサービス提供する『蔵之助』。大事な本を残していきたいという思いに対して、常にベストの解答で応えたいと思います」。
 蔵之助スタートキット一箱(長さ40㎝×幅30cm×高さ20cm)は無料。収納目安は単行本で四〇冊、文庫本六〇冊。燻蒸費は一箱三〇〇〇円。中性紙箱は一箱二四〇〇円。年間保管料一箱四八〇〇円。そのほか配送などの価格は電話あるいはウェブサイトで確認を。価格はすべて税抜。

【会社データ】
東京書庫株式会社 〒350―1155埼玉県川越市下赤坂大野原752
〓0120―283341(月~金曜〈祝祭日を除く〉9時~17時半)
ウェブサイトhttp://www.tokyo‐shoko.com
▲燻蒸装置バイオ・マスターに1冊、1冊丁寧に書籍を入れる
▲「蔵之助」の魅力を熱く語る東京書庫の黒図諭志氏







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