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評者◆編集部
「なぜかな?」という気持ちと、子供のときの「ドキドキ感」を、大人になっても大切に
ホタルの光は、なぞだらけ――光る生き物をめぐる身近な大冒険
大場裕一
No.3136 ・ 2013年11月30日




■子供の頃に抱いていた素朴な疑問の数々は、結局答えを見いだす努力もしないまま放置され、そのこと自体を忘れてしまうことが大人になることだといってしまうと、あまりにセンチメンタルに響いてしまうだろうか。しかし夜のとばりの中で静かに明滅を繰り返すホタルの姿を見つめているとき、人はすべて童心に帰っているのではないか。そしてあの素朴な疑問の数々を思い起こすこともあるに違いない。
 ふとそのような思いをよぎらせてしまう本書は、化学反応によって自ら発光する発光生物を役割、仕組み、進化の観点からひもといた科学読み物である。地球上に発光生物はおよそ七百属、数万種類いるという。中には光るカタツムリやナマコ、そしてゴキブリもいるのだとか。日本には約七〇種類で、うち五〇種類がホタルの仲間だそうだ。
 まず驚くのは、ミミズの記述から始まる点である。いわゆるホタルではなくホタルミミズである。光るミミズがいることはもちろんだが、これがなんとどこにでもいるミミズだというのだ。なぜそれが珍種と思われてきたのか。それは「冬の寒いときにミミズを掘り、それを暗い部屋でつついてみようと思う人がめったにいなくて、だれも足もとにいることに気がつかなかったから」と述べている。パスツールの「チャンスは、準備ができている心が好...







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