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評者◆山城むつみ
散文は単なる雑報がいい──相反する二方向に、進んで引き裂かれることによって、三面記事であると同時に詩でもあるようなジャンルを生み出そうとしている
祝祭の書物――表現のゼロをめぐって
安藤礼二
No.3089 ・ 2012年12月08日




 安藤礼二は『光の曼荼羅』において、若き折口信夫と師弟/同性愛関係にあったと推定される藤無染が「新仏教家」であった事実を突破口に折口を、キリストと仏陀を同一視する新仏教運動/神智学(端的には鈴木大拙/スウェーデンボルグ)に接続し、そこから折口学を逆照射して『死者の書』を斬新なグリッドで解読していた。その後も精力的にその鉱脈を採掘し続け、現在はさらに解像度を上げた折口論を「群像」に連載中だ。
 他方、時評や書評において同時代の文芸作品に対しても旺盛に論及し続けている。
 昨年一年間、安藤は「文學界」に「雑報」と題して、この二つの異なる方向性を同時に満たす文を創出しようとした。この実験が本書の四分の三を占めている。
 マラルメ/折口をまな板に、現代文学の諸作品を次から次へと捌いて見せ(大澤信亮『神的批評』、佐々木中『切り取れ、あの祈る手を』、朝吹真理子『流跡』、松浦寿輝『吃水都市』、朝吹亮二『まばゆいばかりの』、吉増剛造『螺旋歌』、福島亮太『神話が考える』、桐野夏生『ポリティコン』、阿部和重『ピストルズ』、村上春樹『1Q84』、大江健三郎『水死』、ディレイニー『ダールグレン』、渡邊守章が舞台化した『イジチュール』、東浩紀「ソルジェニーツィン試論」、絲山秋子『不愉快な本の続編』、堀...







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