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評者◆斎藤 環
交渉としての脱原発──「換喩化」によってもたらされる多様性や豊かさに賭ける
No.3086 ・ 2012年11月17日




▼精神科医の立場から、刺激的な文芸評論なども旺盛に執筆する斎藤環氏の新著がほぼ同時に二冊出版された。『原発依存の精神構造』(新潮社)と『被災した時間』(中公新書)だ。どちらも昨年の3・11以降に書かれた文章をまとめたものである。去年の震災では、「時間」も被災した――。これを機に、斎藤氏に語ってもらった。(インタビュー日・10月2日、東京・銀座にて。聞き手・須藤巧〔本紙編集〕)

◎「時制の混乱」というトラウマ経験

 ――『原発依存の精神構造』で斎藤さんは、「フクシマ」という言葉の「象徴性」を否定する立場から、「フクシマ」という表記を用いています。
斎藤 カタカナ表記の「フクシマ」への反発はかなりあります。福島で被災された方々からも、そのような扱いをされることへの違和感をしばしば耳にしました。被災地としての福島の普遍性は、例えば「ヒロシマ」の象徴性とはいったん区別する必要がある。別の危険もあります。例えば9・11が過度に象徴化されすぎた結果として、イラク侵攻のような誤作動が起こってしまうように。象徴化は手っ取り早く人々を動員できるけれど、誤った政治的誘導に使われてしまう恐れもある。過剰な象徴化は、ある種の貧困化をもたらしてしまうのです。私は一貫して、象徴化ではなく「換喩化」、隠喩化...







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