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評者◆安原伸一朗×郷原佳以
謎かけの人ブランショ──文学は、現実の写し鏡ではない
謎のトマ
モーリス・ブランショ著、篠沢秀夫 訳
No.3080 ・ 2012年09月29日




▼モーリス・ブランショ『謎のトマ』(中央公論新社)が刊行された。訳者・篠沢秀夫氏の文字通りの「渾身の訳業」である。これを機に、若きブランショ研究者である郷原佳以氏と安原伸一朗氏に対談していただいた。(対談日・8月30日、東京・神田神保町にて〔須藤巧・本紙編集〕)


◎言葉が現実を切り取る力へのこだわりと、人間存在の探究

安原 『謎のトマ』の初版本(一九四一年刊行)が日本語になった、すごいものが出た、というのが最初の感想です。
郷原 二〇〇五年に初版本が復刊されるまではフランスでも持っている人はごくわずかしかいませんでした。訳者の篠沢秀夫さんの思い入れもかなり強いことは、「訳者あとがき」を読んでもよくわかります。
安原 その「あとがき」では、ブランショ自身が「日本ではよく理解されている」と考えていたと記されていますね。ブランショに関しては日本の「事情」もあるかもしれません。一時期非常によく読まれたし、研究者も常にいる。日本では、バタイユについても顕著だと思いますが、よく訳されて、しばしば参照される。とっつきやすい作家でもないのに、これはなぜなんだろうと、なかなか答えはありませんがよく考えます。『謎のトマ』は、ブランショの書物としてのデビュー作ですが、ここに何かきっかけがあるの...







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