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評者◆内藤朝雄
いじめから目を逸らせたいお前へ──現行の教育制度の「あたりまえ」を疑わず、さまざまな的外れで些末な「対策」をまきちらすことは、根幹的な原因から目を逸らさせるがゆえに有害だ。
No.3077 ・ 2012年09月08日




 いじめは1980年代半ばに、いじめ自殺事件の報道ラッシュをきっかけにして、社会問題として成立した。それから現在に至るまで、数年刻みで間歇的にいじめ自殺をきっかけに報道ラッシュがおき、その祭りと祭りの間には忘れられる。忘却期にはベタ記事にもならないいじめが、マス・メディアが報道スクラムをはじめる流行期には、連日大々的に報道される。自殺した生徒に対する「かわいそう」という感情をいわば御輿のご神体にして、いじめ報道祭りが繰り返されることによって、人々はいじめを「悪」として問題視するようになった。
 さて、流行期には評論家や芸能人と呼ばれる人々による、まとはずれな「発言」が大量にばらまかれる。彼らは流行の後には忘れられるが、新たな報道ブームで流行が戻ってくると、あいかわらず同じ内容の発言を繰り返す。
 学校の生徒であろうと、旧陸軍内務班の大人であろうと、人々を外部の社会から閉ざされた治外法権の閉鎖空間に閉じ込め、強制的にベタベタせざるをえないようにさせると、閉じ込められた人々のあいだに独自の残酷な小社会の秩序が発生し、大繁殖する。そのなかで人間の尊厳を踏みにじる迫害的なできごとが頻発する。これは、古今東西どこにでもある普遍的な現象だ。それは、ある一定の条件のもとでは蔓延し、別の条件...







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