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評者◆ベイベー関根
あのー、すいません、今月はちょっとホメすぎたかもです……。――長嶋有原作『長嶋有漫画化計画』(本体一六〇〇円・光文社)
No.3069 ・ 2012年07月07日
こっれは読みであるわ!なんせ総ページ数が432ページだぜ! という、まーようやるわ的ヴォリュームを誇るのが、今回とりあげる『長嶋有漫画化計画』だ!
コンセプトはもちろん、あの芥川賞作家、長嶋有の小説をマンガにする、という至ってシンプルなものだが、長嶋本人が大のマンガ好きだけあって、大御所というより神に近い人から単行本も出していない新人までをフォローしたラインナップがそうとうスゴい。えーい、全部書いちゃえ、登場順に、萩尾望都、衿沢世衣子、カラスヤサトシ、島田虎之介、100%ORANGE、よしもとよしとも、フジモトマサル、陽気婢、小玉ユキ、うめ、島崎譲、吉田戦車、オカヤイズミ、ウラモトユウコ、河井克夫、そして表紙に藤子不二雄A先生! おお、この連載で取り上げたあの人もあの人も! ジャンルも多岐にわたりまくってて、「神」系、少女マンガ系、青春系、コミックエッセイ系、エロ系、四コマ系、絵本系、不条理系、『アックス』系……で、とにかく素晴らしいアーティストに依頼するという方針が貫徹されてるのはさすが。長嶋本人はキャスティング(いやスタッフィングか)から原作との組み合わせに知恵を絞るだけでなく、モデルになった場所への取材や、小説をマンガに移し替えるにあたってのアレンジの相談にまで手を貸しているらしく、いやそのキメ細かさといったら! タテのものをヨコにするだけじゃなく、マンガとしての面白さをどう引き出すかってとこまで突っ込んでるってのは、やっぱりそうとうのマンガ好きだよ(連載全体の統一をはかるための仕掛けまで用意してあるのだ!)。しかも、この贅沢な連載を『小説宝石』誌上で2年ちょい続けただけでなく、描き下ろしが5篇も入ってんだからな、幸せものめ! いや待てよ、自分でこの企画を思いつき、それを着々と実現していったという意味では、策士と呼ぶべきか? いやいや、これだけのプロジェクトを具体化し、一作一作をいいものに仕上げていくのには、気が遠くなるくらいの辛抱強さと交渉能力、それからいろんなアイディアを必要に応じてひねり出していく積み重ねが必要になるはずだ。そう考えると、並々ならぬ情熱家だなー。いやいやいや、藤子不二雄A先生に会うことになって、それをただ会うだけじゃ面白くないから、ということから始まったのがこの本だとすると……小説家という以上に、見上げた編集者魂の持ち主か!? いちいち各作品のストーリーは説明しないけど、原作の味わいはもちろん、各マンガ家の持ち味を生かしたアレンジぶりも心憎いばかりで、原作に忠実な分、的確な演出が光る小玉ユキ「泣かない女はいない」から、BL世界に突入しそうなうめ「パラレル」まで、作品はすべて成功している。おみそれしたぜ。 コノヤロー、次はないと思え! と悪態のひとつもつきたいところだが、うーん、長嶋有ならやりかねんな……。 |
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