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評者◆目取真俊
沖縄と日本との溝は今が一番深く広い――日本の国会や政府はあてにできない
No.3068 ・ 2012年06月30日




 沖縄の施政権返還四〇年ということで、五・一五を前後して沖縄、ヤマトゥのメディアがいろいろな企画をやっていた。中には沖縄通を気取ったヤマトゥ文化人が偉そうにウチナンチューに説教を垂れているのもあって(花村萬月とかいう真栄原新町やコザ吉原での買春体験を自慢たらしく書いて無頼派を気取っている男など)ほとほとうんざりさせられた。ウチナンチューはいまだにお人好しが多いらしく、この手のヤマトゥンチューに愛想よくふるまう者もいるようだ。いい加減「いちゃりばちょーでー」は歌の中だけにした方がいい。
 二〇一〇年五月二八日、普天間基地の「移設」先を「キャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域」と明記した日米共同宣言が発表された。二〇〇九年九月に誕生した民主党連立政権が掲げていた「県外移設」は、完全に投げ棄てられた。その日の夕方、名護市役所の中庭では雨のなか抗議集会が開かれ、挨拶に立った名護市の稲嶺進市長は、「今日、私たちは屈辱の日を迎えた」と発言した。
 かつて沖縄では、サンフランシスコ講和条約が結ばれ、沖縄が日本から切り離された四月二八日を「屈辱の日」と呼んでいた。新たに発せられた「屈辱の日」という言葉には、五八年前のような「祖国・日本」への思いもなければ、同化を志向するナショナ...







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