書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆阿部浩己
憲法特集 国境を超え出る立憲主義――阿部浩己氏が語る、人間中心の法実践のための憲法
No.3061 ・ 2012年05月05日




 本年7月に、新しい外国人在留管理制度が施行される。外国人登録制度が廃止され、法務省が在留管理を一元的に掌握することになる。現場では問題が多々生じていると仄聞するが、なにより懸念されるのは、非正規滞在者など制度の狭間に陥る者の取り扱いである。かれらは、この国では法的に不可視の存在になってしまうのだろうか。
 外国人の入国・在留を管理する権限は国家にある、とされる。あまりにも自明な命題のように思えようが、しかし、その根拠は憲法のどこにあるのか、という問いを立ててみた場合、正しき解は必ずしも判然としない。
 国家という政治共同体の存立に構成員の存在が不可欠なことはいうまでもない。日本の場合には、憲法第10条が「日本国民たる要件は、法律でこれを定める」と規定し、これを受けて制定された国籍法が国の構成員の範囲を画する根拠となってきた。自由主義思想によれば、政治共同体にとってはもう一つ、「境界」を屹立させて構成員を守護することも欠かせぬ要素とされる。国境の管理である。外国人の入国・在留管理はその要諦をなす。とすれば、わが憲法にもその旨の権限規定があってしかるべきと思うのだが、明文の規定はどこを探しても見当たらない。
 最高裁判所は、1978年のマクリーン判決において、「外国人を自国内に...







【今すぐどなたでも読める書評・記事はこちら】
  • 新聞連載(※一部連載を除く)
  • サイト限定連載
  • 読者書評
  • 【現在、図書新聞を定期購読されている方】
    こちらのフォームから「ご契約者のお名前」「郵便番号、ご住所」「メールアドレス」「ID・パスワード新規取得」の旨をご連絡ください。
    【定期購読されていない方】
    定期購読契約が必要です。
    こちらから定期購読のお申し込みをしてください。






    
    リンクサイト
    サイト限定連載
    
    図書新聞出版
      最新刊
    『新宿センチメンタル・ジャーニー』
    『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
    『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
    書店別 週間ベストセラーズ
    ■東京■東京堂書店様調べ
    1位 マチズモを削り取れ
    (武田砂鉄)
    2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
    (山下賢二)
    3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
    (村上春樹)
    ■新潟■萬松堂様調べ
    1位 老いる意味
    (森村誠一)
    2位 老いの福袋
    (樋口恵子)
    3位 もうだまされない
    新型コロナの大誤解
    (西村秀一)

    取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約