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評者◆足立正生
清順スタイルの全面開示――人間は現実と異界の「迷宮」を往還し、生死の業火、強欲に焼かれて生きるのだ: 足立正生氏が語る、「鈴木清順監督 浪漫三部作」リヴァイヴァル上映
鈴木清順監督 浪漫三部作
鈴木清順
No.3048 ・ 2012年02月04日




◎映画の決定的な要素は、
想像力によるコミュニケーション
 清順さんの『肉体の門』(一九六四年)とか『春婦傳』(六五年)などを観て、癖のある映画をつくる人だと思っていた。『肉体の門』では、主演の野川由美子よりも松尾嘉代などの女優陣の色気の凄さに「この人は、エロスをとてもよくわかっている」と皆で話し合った。まだ学生だったけれど(笑)。エロ・グロについて勉強していた時代だったので、すぐに清順ファンになった。
 その後、自主制作をしたり若松孝二の脚本を書いたりしている時に、清順さんが田中陽造や大和屋竺などと共同で具流八郎の集団ペンネームで脚本家集団をつくって『妖剣』などの新作に取り組んでいるのを知った。まさに、つくりたいものに向かって突き進んでいるんだ、と思っていた。しかし、そんな集団作業が映画のかたちをとって現れることは、私が日本にいる間にはついになかった(註・足立氏は七四年にパレスチナへ渡る。二〇〇〇年、強制送還で帰国)。それはともかく、『けんかえれじい』(六六年)や、もっとハードボイルド・タッチの『殺しの烙印』(六七年)などを観ると、清順さんは、いずれにしてもその自分たちが描きたい異形の世界をきちんと表に出し始めたと思っていたら、翌六八年に清順さんは日活をクビになってしまう。 ...







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