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評者◆中村文則
文学の新しさ、文学の責任――文学はもともと「3・11以後」を書くメディア:中村文則氏インタビュー 『王国』と現代文学をめぐって
王国
中村文則
No.3047 ・ 2012年01月28日




 中村文則氏の最新刊『王国』は氏にとって十冊目の単行本となるひとつの節目の作品だ。暗い時代にはその闇をひととき忘れさせる、明るい娯楽的要素を主にした作品、あるいは闇を直視し読者の深部を揺り動かす作品、どちらも必要であろう。中村文則という作家はデビューから十年、後者を書き続けているが、作品では闇のなかに明滅する微かな光も描かれる。『王国』を中心に氏の創作にかける思い、現代文学をとり巻く状況、世相について幅広く話を伺った。(インタビュー日・12月1日、東京・練馬にて〔聞き手=鎗田淳・本紙編集〕)

◎文学の新しさとは
「上積み」の新しさ
 ――『掏摸(スリ)』という2009年に発表した中村さんの作品と同じ系譜にあるのが今回の『王国』ですね。絶対悪を体現するかのような木崎という男も共通して登場しますし、ワンシーンではありますが『掏摸』の主人公も登場します。
中村 今回の『王国』は『掏摸』の兄妹編を書こうと思いました。『掏摸』を書いたとき、木崎にとても人気があったこともあって、この木崎をつかうと面白いなと思いました。続編というよりは兄妹編にして、どちらかだけ読んでも楽しめるように書きました。今度は誰が木崎に翻弄されるのだろうかと。
 ――『掏摸』のときにも、おそらく同じ反響があったと思い...







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