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評者◆ベイベー関根
催涙コンボ大行進! 他人の子供か実の子供か!!――松田洋子『ママゴト 第一巻』(本体六五〇円・エンターブレインBEAM COMIX)、曽根富美子『死母性の庭』(本体八七五円・ぶんか社)、同『パニック母子関係』(本体七八〇円・ぶんか社)
No.3045 ・ 2012年01月14日
どうでもいいが、面影ラッキーホールは良い! このバンドをきちんと評価できない某マガジンはあんぽんたんだ! 海千山千のミュージシャンが、ギリギリなところで生きてる男と女の間の(この場合は「悲惨」と「笑える」の)ギリギリな歌を演って面白くならないわけがないだろう!
というわけで、面影ラッキーホールの「パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた……夏」(個人的にはこの曲より「あたし夕べHしないで寝ちゃってごめんね」の方が押し)みたいなシーンから始まるのが、松田洋子『ママゴト』1巻だ。 ジャケットを見たら、もう内容すべて丸わかり! どういう話か、どういう展開かも読む前からミエミエじゃ! そんなお涙頂戴にのっかってたまるか! と思いながら、読み始めたとたん、もうボロ泣きですよ。くっそう、ズルいなー! 不幸な境遇に育ち、若くしてファッションヘルス業界に入り、子供が生まれて寮を飛び出したはいいが、不注意からその子を亡くしてしまった映子。20年後には自分の店をもってなんとか暮らしているが、そこに昔の仲間の滋子がやってきて、5歳になる息子タイジを置いて雲隠れしてしまう。子供を失ったトラウマを抱える映子と天真爛漫そのものの健康優良児タイジの不思議な同居生活が始まる……。うわあ、もうダメだ、要約するだけで泣けてくる、後はみんな勝手に読んでくれ。ここで忘れちゃいけないポイントは、タイジが肥満児なところね。 そういや、これ読んで思い出したマンガ家がいるんだけどさ。松本大洋『Sunny』の回のとき、いっしょにやろうかと思いつつスルーした『子どもたち!』の作者、曽根富美子がその人だ! 『ママゴト』の方は、自分の中の柔らかい部分を圧し殺す女性が主人公だけど、実際に傷ついちゃった側を描かせたらこの人の右に出るものはいない。『はだしのゲン』並みに、人間にとって本当に切実な問題を描き続けている地味ながらたいっへんに貴重な作家だ。この人のことはこの連載でいつか取り上げたかったんだけど、実は『ブンむくれ!!』が終わってたことも知らなかった、スイマセン……。 で、2010年、初期作品を集めた『死母性の庭』、最近作の『パニック母子関係[カプセル]』が文庫化されたんで、遅ればせながらのご紹介といこう。『死母性の庭』は、自分の子供への虐待を止めることができない母親が父親と協力して立ち直ろうとする激ヤバ表題作と、作家としての方向性を決定づけた「いのちの中の幸福」の2本だて。『パニック母子関係』は、優秀な教師だったはずなのに子供が生まれたとたん仕事も辞め、引きこもりになってしまった妻の心の病理をたどる意欲作。いやいや、こんなにうまくはいかねーよとツッコミを入れつつ、おや、また涙が……。男と女の話なら笑い飛ばしもできるけど、親子のヤバい話は笑えないからなあ。そういえば、確かに面影も「ゴムまり」はキツかった……。 (セックスシンボル) |
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