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評者◆竹原あき子
モナリーゼ(MONA LISAIT)書店
No.3037 ・ 2011年11月12日




 レオナルド・ダ・ヴィンチのモナ・リザの顔にモザイクをかけた文様が、この書店の看板。店頭、ポスター、そして袋にも緑がかったモナ・リザの顔がある。中古書店のようだが、書籍のほとんどが新刊。おそらく、倉庫に眠らせるよりはと、売れ残りがこの書店を賑わせているようだ。小説やエッセー、絵本はもちろん、あらゆるジャンルの本がある。だが美術の豪華本、写真集などの表紙に50%割引とチケットが貼ってあり、目的のない書店散歩で思わず散財し、重い荷物を抱えて帰ってくるはめになる厄介な書店だ。パリに7店舗を展開し、学生の多い地域にはCD、DVDコーナーがあり、観光客の多い地域にはパリはもちろん各国の旅行案内書が多く並び、著者のサイン会はもちろん、現代アートの展覧会や,読書会、写真展などの企画も頻繁だ。市民を読書に導くモナリーゼの経営のうまさに敬意を表したくなる。最近の話題はイタリアで出版された「黒い真珠」と呼ばれた美術雑誌「FMR」。1980年代のものが50%割引で購入できる。
 不思議なことに書店の名前はモナ・リザ(Mona Lisa)ではない。モナリーゼ(Mona Lisait)と発音する。フランス語の動詞「読む、Lireリール」の活用の反過去「読んでいた、Lisait/リーゼ」を使っている。イタリア語でのMonaはフランス語でマダムという意味だから、「マダムは読んでいた」となり、書店の名前はモナ・リザを使って読書に誘う言葉遊びだったのである。
(竹原あき子 和光大学名誉教授・工業デザイナー)







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