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評者◆大久保譲×巽孝之
「思弁小説」という賭け――メタフィクションとは、ひとつの先鋭的なイデオロギー
ダールグレン Ⅰ
サミュエル・R・ディレイニー著、大久保譲訳
ダールグレン Ⅱ
サミュエル・R・ディレイニー著、大久保譲訳
No.3035 ・ 2011年10月29日




 まるですべてを呑みこむブラックホールのような漆黒の表紙をもつ、重厚長大なS・ディレイニー著『ダールグレン』(上・下、国書刊行会)の邦訳がついに成った。この難事を成し遂げた訳者の大久保譲氏と、本書に解説を寄せている巽孝之氏にじっくりと対談してもらった。(対談日・9月28日、東京・高田馬場にて。〔須藤巧・本紙編集〕)

○現代の奇書『ダールグレン』
巽 私は一九九三年、待望の本邦初訳成ったトマス・ピンチョンの『重力の虹』(国書刊行会)に解説を寄稿しています。原著が一九七三年ですから二〇年もの間隔が空いていたわけですが、この邦訳を後押ししたのは、おそらく一九八〇年代初頭の思弁小説(スペキュラティヴ・フィクション)再評価から八〇年代中葉以降のサイバーパンク運動へ至る波でしょう。二〇世紀前半まではサイエンス・フィクション(空想科学小説)の略称だったSFが、六〇年代にJ・G・バラードらの促進するニューウェーヴ運動とともにスペキュラティヴ・フィクションとしてのSFの衣装をもまとうようになり、外宇宙ならぬ内宇宙への道を模索し始めましたが、アメリカではフィリップ・K・ディックやトマス・ディッシュとともに、『ダールグレン』(一九七五年)の著者、サミュエル・ディレイニーもその系統にくみしていまし...







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