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評者◆天笠啓祐
人災の核惨事――原子力の終焉か人類の終焉か、その岐路に立っている 緊急寄稿・東日本大震災と福島第一原発事故をめぐって
No.3008 ・ 2011年04月02日




 3月11日、宮城県沖を震源として発生した巨大地震と津波により、岩手県、宮城県、福島県を中心に多くの都県で空前の被害が発生した。その自然災害が福島第一原発のコントロールの要である電気系統を破壊し、日本で初めてとなる大規模な避難をともなう核惨事をもたらした。事態はまだ、最悪の事態を回避できるか否か瀬戸際の状態であり、現場では必死の作業が続いている。
 事故は原子炉4基で同時に起きるという空前の規模となり、そのすべてで燃料棒が大きく破損し、大量の放射性物質を環境中に放出し続けている。まさに「福島の核惨事」と表現し得る事態となった。
 この核惨事は、過去の原発の事故が警告し続けてきたことを生かさなかった、起きるべくして起きた事故といえる。電力会社は「温暖化対策」の名のもとに原発建設にまい進しただけでなく、「オール電化」を推進して電力需要の拡大を図り、政府がそれを後押しすることで、原発に依存する社会を作ってきた。その意味では、政府や電力会社が招いた人災である。原発の歴史は、広島・長崎に投下された原爆開発から始まった。それとともに事故の歴史も始まった。その被爆国・日本で大規模な核惨事が起きたことに言葉もない。
 原子力の歴史は、事故の歴史である。繰り返される事故こそ、原子力がもつ問題点...







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