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評者◆図書新聞
「以後」の思想を培うために――人間の叡智が問われている
No.3007 ・ 2011年03月26日




 三月一一日午後二時四六分すぎ、最初の激震に遭遇したとき、真っ先に脳裏をよぎったのは、一六年前に起きた阪神・淡路大震災の記憶だった。ビルがたゆみ、家屋がしなり、崩れる棚を避けてよろめきながら屋外に飛び出すと、一斉に鳥が飛び去った東の空には、不気味な暗雲が立ちこめていた。その下で海が立ち上がり、東北地方の太平洋側を襲った。
 津波被害の報道が飛びこんできた。とっさに、一九九三年の北海道南西沖地震で壊滅的打撃を受けた奥尻島の記憶が甦った。だが、今回の地震は規模が違っている。日本の観測史上最大のマグニチュード9。これによって二〇〇四年のスマトラ沖地震、昨年一月のハイチ地震に匹敵する激甚災害が発生した。美しいリアス式海岸で知られる岩手県の三陸海岸沿いや、宮城県沿岸部、福島県浜通りの町は、役場や病院、住民や家屋、列車や船舶もろとも津波にさらわれた。
 海水と泥濘、瓦礫の山にはばまれて、被災者の救出・捜索活動は難航している。「牡鹿半島の浜辺で約千人の遺体」「南三陸町で約千人の遺体」。そんな報道に接するたびに、凄惨な光景が目に浮かぶ。すでに死者・行方不明者の数が万単位にのぼると予想され、いまだ「不明者多数」として実数は把握できないままだが、日々、この数字が増大し続けていくことだけは確実だ。...







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