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評者◆鴻農映二
ソウルに尹東柱文学館が!――自治体も支援、4カ国語詩集の発刊成る
No.2996 ・ 2011年01月01日




 12月4日、ソウルの仁旺山中腹にある、市の水道局の施設で、尹東柱文学館の起工式が開催された。竣工は2011年半ばを予定。いまある施設をリニューアルする形で、世界的な観光スポットにする大がかりな計画だ。
 すでに背後の丘は、「尹東柱 詩人の丘」と命名され、詩碑や屋外舞台が完成している。最近は、テレビドラマや映画の撮影にも使われるようになった。
 この事業を12年越しで推進してきたのは、「尹東柱文化思想宣揚会」(朴英雨代表)で、この会は、中国東北部の尹東柱の生家の復元や、季刊「序詩」の刊行、文学賞の授賞、詩講座の開催などを行なってきた。
 2009年に、ソウル市鍾路区と正式に、尹東柱を観光ブランドとして活用(?)するため、文学館建設の契約が結ばれていた。それが、ようやく、着工の運びとなったのである。
 安東市には、李陵史文学館があり、高敞には、徐廷柱文学館がある。その他、全国各地の文学館を考えると、尹東柱文学館は、遅すぎた感がある。
 しかし、最も愛される国民詩人だから、将来的には最も訪れる者の多い建物となるだろう。
 ロケーションも、大統領官邸のすぐ裏側で、景福宮から歩いていける距離だ。この場所は、一時、尹東柱が近くに下宿し、丘を散歩しながら、詩想にふけったところでもある。
 キム・ヨンジョン鍾路区長は、「鍾路区は、尹東柱が住み、詩を創ったところ。文学館を建てるのに最もふさわしい」と語る。「何度も訪れたくなるような設計を」と指示した。
 尹東柱文化思想宣揚会は、起工式の前に、尹東柱詩集『星を数える夜』を発刊した。ハンディー・タイプの本で、韓・米・中・日の四カ国語から成る対訳詩集だ。尹東柱の詩52編が収録され、これ一冊あれば言葉の壁を意識することなく、詩人について語り合える。尹東柱の優しい心を伝える強力なツールだ。値段は、13000ウォン(日本円で約1000円)。注文先はe‐mailがseosi9@naver.comだ。ホームページは、www.yundongju.or.kr
(韓国文学)







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