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評者◆平井玄 (聞き手・五所純子)
終わりなき新宿ファウスト――性と欲の泥沼に速度機械が突入して何が起きたのか
愛と憎しみの新宿――半径一キロの日本近代史
平井玄
No.2993 ・ 2010年12月11日




著者みずから「またしても名付けようのないものを書いてしまったな」と言う「奇書」、『愛と憎しみの新宿』(ちくま新書)が刊行された。著者の平井玄氏に話を聞いた。聞き手は、ライターの五所純子氏にお願いした。(インタビュー日、9月8日。東京・神田神保町にて。〔須藤巧・本紙編集〕)

●喰い物こそ政治
 ――前作の『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』は地面に近い視点から書かれたものでした。新著である『愛と憎しみの新宿――半径一キロの日本近代史』の第一章「街を貪る」では青年期が振り返られますが、まず食べ物の話から始まります。「口、舌、喉、鼻、そして胃袋」と臓器が並べられていたのが印象的で、本書は地面へと降下してさらに肉体の奥、臓器から反応して読み直していく新宿なのだと思いました。
平井 五年前、二〇〇五年の『ミッキーマウス~』はフリーターが溢れ出す状況に対して、「自分」という実存の穴を掘って半世紀を遡りその根拠を抉りだすという試みでした。ですから街といっても、その開口部として新宿の路地裏が出てくる程度。東京のぱっとしない裏道への入口という感じでした。私のように実際にフリーターをやっているとあちこちを転々としなくてはならない。かつては年間数十か所も移動していました。そういった時代の都市を生きる...







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