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評者◆編集部
こどもの本棚
No.2963 ・ 2010年04月24日




ほんとうのともだちっていったいなにかな?
▼ともだちごっこ ▼内田麟太郎 作/降矢はな 絵
 ふえをききたい、キツネがいます。「ぼくは もっと ふえをききたい」と、ふえをふいているテンにいいました。でも、テンは「だめ。オオカミの こぶんなんかに きかせたくないもん!」といいます。「ぼく……、こぶんじゃないよ」「ふん、そうだったかしら。いつも オオカミの うしろばかりついてあるく いくじなしさんかと おもってたわ。あたし いくじなしって だいきらいっ!」。キツネが、「こぶんじゃないよ、オオカミさんとは ともだちよ」とこたえると、テンはいいました。「だったら オオカミと みっか あわないで すごせる?」。どうしようかとまようキツネでした。でも、ふえをききたい。「うん」とうなずいてしまいました。「なら あしたから キツネくんは、あたしだけの ともだち!」。
 でもテンがはなすのは、いつもオオカミのわるくちばかり。ついにがまんできなくなったキツネは、「こんなのは ほんとうの ともだちじゃない。ともだちごっこだ。ともだちごっこは もういやだ!」とさけんで、かけだしました。いったい、ほんとうのともだちって、なんでしょう?(3月刊、B5判変型三二頁・本体一〇〇〇円・偕成社)
しょうじきもののおじいさんとおばあさん
▼花さかじい ▼広松由希子 文/堀川理万子 絵
 しょうじきものの夫婦がいました。おじいさんは山へはたけしごと、おばあさんは川へせんたくにいきました。ある日、おばあさんは川で、まっ赤なかきをひろいました。いえにかえって、うすに入れておくと、どうでしょう。まっ白な子犬にかわっていたのです。子犬は、大きくなるとおじいさんを山につれてゆき、「ここほれ、わんわん!」とほえました。ほってみると、おおばん、こばんがざっくざく。
 それをききつけたとなりのおじいさんは、犬にまたがり、おしりをたたいてつれていく。「ここほれ、わんわん!」と犬がほえました。となりのおじいさんがほってみると、へびやむかでがざーわざわ。となりのおじいさんは、はらをたてて犬をころしてしまったのです。かなしんだしょうじきもののおじいさんは、犬のかたみに、まつの木をきって、うすをこしらえました。するとどうでしょう。それでおもちをつくと、こばんがざっくざく。それをききつけた、となりのおじいさん、おばあさんは、うすをとって、もちをつきました。するとどうでしょう。うしのふん、うまのふんがどーろどろ。となりのおじいさんは、はらをたてて、うすをかまどでもやしてしまいました。うすは、すっかりはいになってしまいました。
 「日本一の 花さかじじい。かれ木に 花を さかせましょう」。ふるくからしたしまれてきた、昔話絵本があたらしくうまれかわりました。(3月刊、A4判三二頁・本体一三〇〇円・岩崎書店)
「しょもう!」とさけべばなんでもねがいがかなう
▼もものすけのあさごはん ▼やまちかずひろ 作/荒井良二 絵
 「しょもう!」とさけべば、なんでもねがいがかなう。もものすけの、そんなゆかいなおはなしです。もものすけって、だあれ? ふつうの男の子に見えるけど、ぜんぜんちがう。だって、「しょもう!」なんていうんですから。たとえば、レストランをしょもう! するとどうでしょう。レストランができちゃう。そして、あるはれた日のこと。ひとりでおるすばんの、もものすけは、「おそとで、あそびたいで、ござる。おおぜいで、あそびたいで、ござる。さて、どうしよう」とかんがえます。「よし! おにわで うんどうかい、しょもう!」。するとどうでしょう。とたんに、にわがどんどんひろがって、大きなグランドになりました。もう、もものすけは、たいへんなおぼっちゃま。さあ、みんなも、いっしょに「しょもう!」。ござる、ござるの、もものすけのゆかいなお話。(3月刊、四六判変型六四頁・本体一一〇〇円・小学館)
わにのあそびは
つづきます

▼わにわにのおおけが ▼子風さち 文/山口マオ 絵
 あるひ、わにわにが、ろうかをあるいていました。わにわには、いえのなかにすんでいるんです。ずり、づづ、ずり、づづ。ずり、づづ、ずり、づづ……。へやのなかにはいってみると、なんと、ずいぶんとへやがちらかっているじゃありませんか。「おや?」。かみや、のり、ハサミがあります。クレヨンやえのぐもありますねえ。さんかくじょうぎ、かなづち、ラケットまでありますよ。よし、よし。ハサミで切ってあそびましょう。折って、切って、あそびましょう。ちょうしよく、ジョキジョキジョキ、ジョキジョキジョキ……。「あぁー!」。じぶんのゆびまで切ってしまった。どうしよう、血がでてきてしまいました。わにわには、あわててくすりをぬりました。ほうたいも、ぐるぐるにまきます。よーし、これでよし、と。また、ジョキジョキジョキ、ジョキジョキジョキ。わにわにの、あそびはつづきます。(3月刊、A5判変型二四頁・本体八〇〇円・福音館書店)
ちきゅうくんを
げんきにしようね
▼しょうちゃんとちきゅうくん ▼さとうかしわ 作
 しょうちゃんという男の子がいました。ちきゅうくんとは、なかのいいおともだちです。いつも、いっしょにあそんでいます。しょうちゃんは、ちきゅうくんにあまえて、しゅくだいやおかたづけをたのんだり、もう、おんぶにだっこです。ところが、ある日、ちきゅうくんはびょうきになってしまいました。ちきゅうくんをげんきにするには、どうしたらいい? しょうちゃんは、アンドロメダせんせいがおしえてくれた「げんきエネルギーのたま」をさがしにいきました。たびから、たびへ、さがしにいきます。たいようや、かぜが、たすけてくれました。「げんきエネルギーのたま」をのんだちきゅうくんは、すっかりげんきに。ふたりはずっと、いっしょだよ。ともだちだもんね。みんなも、ちきゅうをたすけよう。そんなメッセージがこめられた本です。(3月刊、A5判変型四四頁・本体一一〇〇円・ポプラ社)







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