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評者◆石川達夫
特集エッセイ:辞書・事典と私――チェコ語辞典と心中したくはないが…
No.2960 ・ 2010年04月03日




 言語に貴賤はない。また、言語を学ぶ意味や楽しさは、言語人口の多寡に係わらない。ちなみに、私は勤務先大学でロシア語とチェコ語の両方を教えているが、自由選択科目について言えば、ロシア語とチェコ語の受講生は言語人口に反比例している。つまり、言語人口約千二百万人のチェコ語を受講する学生の方が、約一億六千万人のロシア語を受講する学生よりも遙かに多いのだ。これにはもちろん、大学で学べる外国語としてのチェコ語の珍しさ、プラハに代表される美しいチェコのイメージ、チェコ文化(音楽、アニメ、絵画、文学など)の人気も影響しているだろう。
 私は三十歳代前半に『チェコ語初級』(大学書林)という、かなり大部のチェコ語教科書を著した。当時、千野栄一氏の『チェコ語の入門』(白水社)という、学び易いが、チェコ語を読めるようになるために必要な文法事項が足りない教科書しかなかった状況で、私は読解に必要な文法事項を網羅的に入れて、索引や変化表もほぼ完備した教科書を「初級」と題して作ったのだ。こんなに難しい教科書は「初級」ではないではないかと言われるが、そういう書名を付けたのは、「入門」でチェコ語に慣れた人がしっかりと文法を身につけるための、より高度な教科書を想定する一方で、続けて出すつもりだった「中級」を想定し...







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