書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆辻井喬
間違いなくモダンの次の時代の芸術――柳正彦著『クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』を読む
クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト
柳正彦
No.2956 ・ 2010年03月06日




▼物質を包み、
本来の意味を
取り戻す▲
 『クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』を読んでいて私は、マルセル・デュシャンが美術、造形芸術の現代を開いたアーティストなら、クリストとジャンヌ=クロードは真のポスト・モダンの入口に立つ芸術家ではないかと思った。
 この際私は、ポスト・モダンという言葉で現代芸術を指しているのではなく、間違いなくモダンの次の時代の芸術作家としての存在を考えているのだ。
 著者の柳正彦がそう書いているのではない。彼は淡々と、彼らと一緒に仕事をしてきた体験について語り、自分の意見、思想を極力抑制して、彼らの言動、苦労、その時々の感想を記録文学的に叙述している。
 彼はそうすることで、読者が自由にクリストとジャンヌ=クロードのイメージを描くことを期待しているように見える。
 それだけに、これは一種の記録文学的な作品と言ってもいいのではないかという感想を私は持った。だから我々はむずかしい芸術論を読まされるのではなく、むしろ極めて人間的で、天真爛漫ともいえる二人の姿に接することが出来るのだ。
 この点についても、柳正彦は、
 「優れたアートは政治的、社会的なメッセージをもつことはできない」
 という二人の発言を紹介し、
 「《ドラム缶の壁...







【今すぐどなたでも読める書評・記事はこちら】
  • 新聞連載(※一部連載を除く)
  • サイト限定連載
  • 読者書評
  • 【現在、図書新聞を定期購読されている方】
    こちらのフォームから「ご契約者のお名前」「郵便番号、ご住所」「メールアドレス」「ID・パスワード新規取得」の旨をご連絡ください。
    【定期購読されていない方】
    定期購読契約が必要です。
    こちらから定期購読のお申し込みをしてください。






    
    リンクサイト
    サイト限定連載
    
    図書新聞出版
      最新刊
    『新宿センチメンタル・ジャーニー』
    『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
    『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
    書店別 週間ベストセラーズ
    ■東京■東京堂書店様調べ
    1位 マチズモを削り取れ
    (武田砂鉄)
    2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
    (山下賢二)
    3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
    (村上春樹)
    ■新潟■萬松堂様調べ
    1位 老いる意味
    (森村誠一)
    2位 老いの福袋
    (樋口恵子)
    3位 もうだまされない
    新型コロナの大誤解
    (西村秀一)

    取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約