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評者◆港道 隆
「来るべき」民主主義の鍵とは――他国を「ならず者国家」と名指して軍事行動を正当化するアメリカ合衆国は「ならず者国家」そのものである
ならず者たち
ジャック・デリダ著/鵜飼哲・高橋哲哉訳
No.2955 ・ 2010年02月27日




 来デリダが唱えてきた「来るべき民主主義」の思惟の記念碑的結節点となった本書は、2002年夏にスリージー・ラ・サールで催された「デリダ・コローク」で行なわれた講演「最強者の理性(ならず者国家はあるか?)」と、同年ニース大学での講演「来るべき啓蒙の「世界」」からなる。第一部をなす講演は丸一日かけて行なわれたもので極めて密度が高く、従ってリアルタイムで理解していくのは容易ではないが、訳者の一人である鵜飼哲とともに立ち会っていた私は、デリダの言葉に心躍らせて聴き入った。第二部は、フッサールを読むことからキャリアーを始めたデリダが、幾多の展開を経た地点で、再びフッサールの目的論から理性と啓蒙との可能性を論じたテクストであり、一読者としてある種感慨を抱いている。だが、ここでは紙幅の都合上、第一部に焦点を当てる。
 古代ギリシアのプラトンの『国家』とアリストテレスの『政治学』とは既に、「自由」(eleutheria)と「放蕩・恣意」(exousia)との決定不可能性から、民主制がイデアや形相、本質をもたない政体であることを、しかも風評を引用する形で論究している。民主制は、自由な民(デモス)が数の力で代わる代わる権力(クラシー)を握るがゆえに衆愚政治に陥りやすく、ポピュリズムを介して独裁制を準備するとして...







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