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評者◆秋竜山
男と女はジョーク仲間、の巻
No.2953 ・ 2010年02月13日




 たとえば、「ジョークの面白い本があるよ」と、いった場合。「どんな本だい?」と、聞かれた時。どのように答えればよいのだろうか。「こーいう本だ」と、説明したとする。何が、こーいう本なのかわからないが、説明不足でもあるような気もする。その本にのっているジョークをぬき取って、「こーいうジョークがのっている」と、いうことでウムもいわせないだろう。その、ジョークによって面白い本であるか、つまらん本であるか決定されるとなると、さあ!! 大変だ。どのジョークで勝負するか責任は重い。ジョーク本というのは、のべつ出版されているとは思えない。何年に一度ぐらいか、パッと出て、パッと売れて、パッと消えてしまう。忘れた頃に姿をあらわすといった本である。かつて、大人雑誌がバカ売れした時代。黄色のページには必ずジョークがのっていた。外国のジョークである。ジョークは外国が本場のようでもあり、ジョークに出てくるような人物は外国人が似合った。日本人はジョークというよりも、コッケイとか笑い話の中だといきいきしてくる。馬場実『大人のジョーク』(文春新書、本体七四〇円)では、オビに〈欧米ジョークの第一人者による、男と女のジョーク〝ベストセレクション〟200篇!〉とある。だから、欧米人のジョーク人間たちということになる。笑わせる欧米人ということだ。ジョークは短いほどよい。笑わせてくれる。なぜだろうか。なぜ短いほうが笑いが大きいのか。なぜミニスカートのほうがよい!! のかと同じようなものかも知れない。ところが、ロングスカートのほうがいい!! という人もいたりするから、笑うということはむずかしいものでもある。
 〈幻想文学 書店で客がたずねた。「〝男が女を支配する〟という本はどこにあるね」「幻想コーナーは左側です」と店員が答えた。〉(本書より)
 すなおに、「アハハハ……」と笑える。笑いのむずかしさは、笑えない!! という人もいるということである。
 〈苦労のもと 独身の男が嘆いて言った。「面倒なことが起きても、それを一緒に考えてくれる妻がいないんだからなァ」結婚している男が答えた。「ふん、独身者にどんな心配ごとがあるんだい」〉(本書より)
 これとて「アハハハ……」と笑ってしまう。笑えない人にとっては何が可笑しいのか不思議でならないだろう。
 〈デザート 結婚とは、延々と続く宴のようなものである。唯一の違いは、最初にデザートが出ること。〉(本書より)
 「なるほど、アハハハ……」と笑える人は笑う。笑えない人は笑うどころか「なるほど、と思うが、それがどうして笑えるのか計り知れない」となる。
 〈世界はひろがる 妻が夫に言った。「ねぇ、以前あなたは、この私こそあなたの世界のすべてだっていったわよね。今でも同じ気持?」「ああ。でも」夫が言った。「あれからずいぶん地理を勉強したからね」〉(本書より)
 「アハハハ……」「そのどこが可笑しいんだ」。大人のためのジョークといったら、やっぱり男と女につきるだろう。つまり、男と女はジョーク仲間ということであり、〈女の下着に萎える瞬間 パンツ(下着)の面積がでかいとき。〉(本書より)
 これには笑えない人も「アハハハ……」と大いに笑った。







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