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評者◆杉村昌昭
ポスト〈ポストモダン〉的社会への展望――この三〇年間に、いったいどのような社会経済的・文化的大転換が生じたのか、いまどんな段階にさしかかっているのか
プレカリアートの詩(うた)――記号資本主義の精神病理学
フランコ・ベラルディ(ビフォ)著/櫻田和也訳
No.2953 ・ 2010年02月13日




 一九七〇年代イタリア・アウトノミアの戦闘的活動家、ボローニャの自由ラジオ〈ラジオ・アリーチェ〉の創設者、フェリックス・ガタリを敬愛するガタリ直系の先鋭な思想家、〈ビフォ〉の愛称で世界中にファンを持つサイバー・コミュニケーションの実践者フランコ・ベラルディの本が、ようやく邦訳された。まずは、このフランコの日本デビューと、ガタリゆずりとも言える、その新旧多分野にわたる豊富なボキャブラリーを駆使した稠密でありながら疾走するような文体を元の味わいをそこなわずに日本語に訳し通した若き俊秀のデビューを喜びたい。
 さて、本書はビフォが七〇年代から現在までにいたる自らの実践的活動を総括するとともに、そこから引き出した教訓を未来にむけて投企し、ポスト〈ポストモダン〉的社会への展望を提示しようとした野心的著作である。
 キーワードは「認知労働」と「記号資本主義」。フランコはこれが登場する時期を一九七七年に定める。フランコによればこの年は一方でイタリアにおけるアウトノミアを中心とした社会闘争と並行して、「ウォズニアックとジョブズがアップル社のトレードマークを創り情報テクノロジーを普及させる道具を生み出した年であ」り、「アラン・マンクとシモン・ノラが現れつつある遠隔情報技術の政治的帰結によって来...







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