書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆秋竜山
本は高くない、の巻
No.2951 ・ 2010年01月30日




 やっぱり、本を読まなくては駄目だ!! そんなことは、わかってる。でも、本を読むと、いや、読もうとして二、三行活字を追うと、すぐ眠くなってしまうから、どうにもならない。脳が、たるんでいるからか。本を読むということは眠りとの戦いでもあるようだ。やっぱり脳が、ぶったるんでいるのかもしれない。立花隆・佐藤優『ぼくらの頭脳の鍛え方――必読の教養書400冊』(文春新書、本体940円)では、本読みというか、どのような本を読んだらいいのか、本の仙人の極意のようなものであるだろう。本棚をつくって、それに本をならべるか。それとも、本を、まず買い求めて、それにあわせて本棚をつくるのか。本書を読んでいくと、まず本を最初にそろえることからだ。〈立花隆選・書斎の本棚から百冊、佐藤優選・書斎の本棚から百冊〉知的欲望に満ちた社会人へ〈書斎の本棚から二百冊〉というブックリストである。とにかく、二百冊そろえなくては。と、思うのだが……。〈立花隆選・書斎の本棚から百冊では。●生命科学では、1『二重らせん』ジェームス・D・ワトソン 講談社文庫。DNAの発見物語。ここからバイオの世紀がはじまった。●地球科学では8『宇宙をかき乱すべきか』F・ダイソン ちくま学芸文庫。二十世紀を代表する知的巨人の自叙伝。宇宙論。技術論。●現代科学論では、11『神は妄想である』リチャード・ドーキンス 早川書房。「神は人間が作った妄念」でないと思っている人は必読。●心理学では、15『ユング自伝』ユング みすず書房。ユングのどんな学問的著作より面白い。●生理学では、17『ガイトン臨床生理学』ガイトン 医学書院。18『ネッター解剖学アトラス』ネッター 南江堂。以上の二冊・人間を真に知るための基礎知識。まずは人間肉体のメカニズムを知らなければ。●死では。19『人間臨終図巻』山田風太郎 徳間文庫。ありとあらゆる有名人の死に方。〉と、読むべき本が続いていくわけだが、書ききれない。〈佐藤優選・書斎の本棚から百冊では。●宗教・哲学についての知識で、人間の本質を探究する。1『聖書』(新共同訳) 日本聖書協会。〉と、いった具合に、これは読まなくてはいけない。と、いうか本棚にズラーッとならべて置きたい本ばかりだ。まだ、ある。こればかりではないのだ。〈文庫&新書二百冊〉が、あるのだ。さあ、どーしましょう。そして、〈立花隆による「実戦」に役立つ十四ヵ条〉がのっている。〈(1)金を惜しまず本を買え。本が高くなったといわれるが、基本的に本は安い。一冊の本に含まれている情報を他の手段で入手しようと思ったら、その何十倍、何百倍もコストがかかる。(4)自分の水準に合わないものは、無理して読むな。水準が低すぎるものも、水準が高すぎるものも、読むだけ時間のムダである。時は金なりと考えて、高価な本であっても、読みさしでやめるべし。〉(14)項目にわけられている。〈若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ。〉とある。これだけの本が本棚にならべられたら、読む読まないの問題ではなかろう。ながめているだけで、知の人間になったような気分が味わえるだろう。そして、眠けをもよおすだろう。
連載第1047回







リンクサイト
サイト限定連載

図書新聞出版
  最新刊
『新宿センチメンタル・ジャーニー』
『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
書店別 週間ベストセラーズ
■東京■東京堂書店様調べ
1位 マチズモを削り取れ
(武田砂鉄)
2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
(山下賢二)
3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
(村上春樹)
■新潟■萬松堂様調べ
1位 老いる意味
(森村誠一)
2位 老いの福袋
(樋口恵子)
3位 もうだまされない
新型コロナの大誤解
(西村秀一)

取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約