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評者◆海老坂武・澤田直
21世紀を生きるサルトル――対談・海老坂武・澤田直
自由への道 1
ジャン=ポール・サルトル著/海老坂武・澤田直訳
同 2
ジャン=ポール・サルトル著/海老坂武・澤田直訳
同 3
ジャン=ポール・サルトル著/海老坂武・澤田直訳
No.2946 ・ 2009年12月19日




 サルトルの長大な小説『自由への道』の新訳が岩波文庫より刊行されている。これを機に、訳者の海老坂武氏と澤田直氏に対談していただいた。(対談日・11月5日、東京・神田神保町にて〔須藤巧・本紙編集〕)

○日本のサルトル受容と
戦後のパリ
海老坂 サルトルの小説というと、まず『嘔吐』と『自由への道』ですね。岩波書店の編集者の方と、新訳を出すとしたらその二つ、それと評論なら『聖ジュネ』じゃないかと話していました。
 『自由への道』の第三部の日本語訳の初版を見てみたら、昭和二七年です。ここに青野季吉という評論家が「サルトルの偉大さ」という文章を書いています。これを読むと、当時の文学者がどうやってサルトルを受け取っていたかがわかる。彼は、「私はかつてこれだけのものを読んだ覚えがない。ジョイスやプルーストなどともまた違った濃密さである。この小説の前に置くと全ての作品が抽象的で、生命の硬化したもののように思われてならない」と、最大限に言祝いでいます。
 僕が『自由への道』を読んで面白いと思ったのは、冒頭でいきなり話に入っていく。一九世紀の小説は、バルザックだったら部屋の描写とか人物の紹介がまずあります。二〇世紀でも、『チボー家の人々』や『贋金づくり』にしたってやはり人物の紹介から入っていく...







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