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評者◆山井 悟
ピアニスト梯剛之の胎児の記憶を、母の声が喚起し、放出させた――クラシックの名曲は、土のにおい、木の香り、自然への感謝と語る
天恵の音楽 盲目の世界的天才ピアニスト 梯剛之の宇宙
子供に伝えるクラシック制作委員会 編
No.2945 ・ 2009年12月12日




 生後一ヶ月で小児癌によって失明したピアニスト・梯剛之は、ハンディキャップを乗り越えて、数々の国際的なピアノコンクールで入賞し、多くの人たちに感動を与える音楽家としていま現在ある。
 自らの子ども時代を振り返り、梯は次の様に述べているのが、印象的だ。
 「僕がこうやって、うまくやれてきたのは、友達と遊んだ経験のおかげですね。(略)遊びもそれなりの勉強になっていて、ただ勉強で知識を詰め込むだけが勉強じゃなくて、例えば僕も保育園の給食か何かで、うどんを作ったり、自分たちが作った大根を給食で食べたりとか、そういうことの歓び、土を踏みしめることの快感とか、土のにおいをかいで、自分たちが泥んこになりながらも、一生懸命育てたのが食べられていく、そういう喜びとかを、小さいときに経験できたのが、何にも増して一番いい勉強になりました。」(本書「第3章 生きる喜びと感動の輪が広がる」)
 まわりの子どもたちも、梯に「気を使うとか、特別扱いするわけ」でなく、自然に接していたことが伺える。そしてなによりも、「土を踏みしめることの快感とか、土のにおいをか」ぐことに喜びを感じることが、梯の類い稀な才能を引き出す契機になったことは、確かなことだと思われる。
 本書は、「全国の小学校に梯剛之の演奏するDVD...







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