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評者◆鴻農映二
続・韓国文学は、なぜ、つまらないか?――いちいち、日本と比較しても仕方ないが……
No.2944 ・ 2009年12月05日




(3)特権階級意識。
 新聞・雑誌に掲載する文章の書き手は、大学卒でなければ依頼しない。これは、昔、科挙に及第したら、一気に一族郎党の生活が楽になった歴史の尻尾のような気がする。才能よりも権威、肩書き重視だ。(いちいち、日本と比較しても仕方ないが、大学卒でない東峰夫、中上健次、松本清張も、韓国ではデビューできなかったろう)
 だから、中年になっても、大学や大学院に通うサラリーマンが多い。

(4)すぐ助成金(政府)に頼ろうとする。
 物書きが貧しい原因は、本人の才能が乏しいからではなく、政府の支援体制が整っていないからだとアジる。「ハリー・ポッター」のようなメガ・ヒットを飛ばす志は、露ほどもないらしい。
 それなのに威張りちらす。「オレの作品は難解だから、わかりにくいだろうね。分断、植民地の暗鬱な歴史、光州事件……えーっと、それから……それから……」。こういう連中の答えは、だれに訊いても同じだ。

(5)翻訳を軽んじる風潮。
 世界文学の紹介は、日本語からの重訳だった。つまり、翻訳の名に値しない要素を帯びていた。そこから、翻訳という作業を軽視し、翻訳に携わる人間まで尊重しない空気が生じた。(「話に聞くと、なんでも、日本では、この作家は、この人の訳でなきゃあと決まっているらしいよ。たとえば、フランソワーズ・サガンは、朝吹登水子というように。ま、遠慮しねえで、寿司、食いねえ」)

(6)イベント主導型。
 ドイツに文人協会員30名が出かけ、現地の同胞5人とシンポジウムを開催。タイトルは、「韓独の文学を語る」(?)だ。ドイツ人は、一人も出席しないのに(!?)。
(韓国文学)







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