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評者◆鴻農映二
韓国文学は、なぜ、つまらないか?――韓国文学の欠点をディープに語る
No.2943 ・ 2009年11月28日




 先の連載、「ノーベル文学賞の獲れない構造」では、わかりにくい部分もあったと思う。その補足説明がてら、ディープに、ざっと6項目にわたって、韓国文学が魅力に欠ける点について語ろう。

(1)国文科出身が文壇を支配している。
 これは、根が、日本帝国主義に由来しているので、少し罪悪感を感じるが、つまり、こういうことだ。日本は、植民地統治のプロセスで、ハングルを無くそうとした。危機感を覚えた民族主義者は、自国の文学を護るのに、最後の最後まで頑張った。当然、その役割を担ったのは、外国文学者ではなく、国文学者、並びに国文科出身の物書きだった。これが、韓国文学の本命は、国文という大きな流れを形成した。(近・現代文学を、外国文学者――英文学の漱石、ドイツ文学の鴎外、フランス文学の荷風――が築いた日本とは、対照的だ)
 国文だから、海外の動きに鈍い。ヴェルヌや、モーパッサンの面白さといったものと縁遠かった。

(2)大学教授を兼任とする文学者が多い。
 教える立場だから、ハレンチなことが書けない。偉かったのは、馬光洙だ。かれは、延世大学教授の身で、ポルノ小説を書き続けた。大学側は、かれをクビにした。同僚も物書き連中も、かれを弁護しなかった。(チャタレイ裁判で、伊藤整を、サド裁判で澁澤龍彦を弁護した日本とは異なる)
 こちらの方が、むしろ、重要だと思えるが、民主化闘争という大義名分を掲げた金芝河のような知識人しか護ってもらえないらしい。馬光洙は後に許されたが、詩人、尹東柱を輩出した大学が汚点を残したのは確かだ。
(韓国文学)







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