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評者◆編集部
こどもの本棚
No.2943 ・ 2009年11月28日




みんな、だいすき
みんな、ぎゅう~

▼ぎゅうってだいすき――あかちゃんのあそびえほん12  ▼きむら ゆういち 作
こいぬのコロと、ことりのピイちゃんがいました。コロはピイちゃんがとてもだいすき。だから、ぎゅう~。すると、むこうで見ていた、ねこのミケがやってきました。ミケはコロがだいすき。だから、ぎゅう~。すると、むこうで見ていた、かいじゅうさんがやってきました。かいじゅうさんは、ミケがだいすきです。だから、ぎゅううううう~。かいじゅうさんは、とてもおおきいから、ぎゅうううううう~。ミケはつぶれそうです。そしたら、むこうで見ていた、ことりのピイちゃんがちかづいてきました。ピイちゃんは、かいじゅうさんがだいすき。だから、おおきなかいじゅうさんに、きゅうっ。
そしたら、むこうで見ていた、ゆうちゃんがやってきました。ゆうちゃんは、みんながだいすき。だから、みんなを、ぎゅう~。と、むこうに、ママがいました。みんなは、ママがだいすきだから、みんなで、ママをぎゅう、ぎゅう、ぎゅう、ぎゅう、ぎゅううううう~。そんなみんなの、あそびえほんができました。(10月刊、22×19/二八頁・本体七〇〇円・偕成社)

ゆっくりかんがえながら大人になる絵本

▼子ども・大人――考える絵本6 ▼野上暁+ひこ・田中 文/ヨシタケシンスケ 絵
子どもたちが、たちばなし。「大人ってずるいよね」「『自分がされてイヤなことは人にしちゃダメ』とか言うくせにね!」。大人はみんな、子どもだったから、きみの気持ちはよくわかっているつもりだっていうけど、ほんとかなあ……。
おばあちゃんは、おとうさんの小さいときに、そっくりって、わらった。おかあさんは、「へえ、そうなんだ」って、おとうさんを見て、わらってたな。じつはね、大人だって、毎日はじめてのことばかりなんだよ。もちろん、子どもにいろいろ、おしつける人もいる。自分も、子ども時代に、そんなふうにされたから、そうするのが大人のやくめだと、思いこんでいるのかな。
べんきょうしないと、大人になってこまるって、おとなはいうじゃない。でも、がっこうのべんきょうって、なんでしなきゃいけないの? ゲームとかテレビはおもしろいけど、べんきょうはつまらない。なんでだろう? きっとそう思うのは、ルールをおしえられるだけだから。でも、ほんとうはね、「なぜ」へのこたえを見つけようとするのが、かんがえるということ。そのとき、いろいろおぼえたことを、つかっていくんだ。ゆっくり、ゆっくり、かんがえながら、大人になる。そのための絵本。(10・20刊、A5変型判三二頁・本体一三〇〇円・大月書店)

聖人となった修道女の人生の道のり

▼マザーテレサの冒険 ▼ピエロ・ベントゥーラ 絵/ジアン・パオロ・チェゼラーニ 文/女子パウロ会 訳
マザーテレサの本名は、アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ。一九一〇年、マケドニアのスコピエに生まれました。テレサの両親はアルバニア人でした。幼いころに父を亡くしたテレサは、修道会に入ることに決めました。そして一九歳のとき、インドの修練院で教育を受けました。そして、まずしい人たちを助けるためにはたらきたいと、スラムに行って、「神の愛の宣教者会」をつくりました。
宣教女たちの生活はいつも清貧のきそくにしたがっていて、毎日の生活は、おいのりと、助けを求めている人たちへの奉仕できびしいものでしたが、シスターたちはいつもたのしそうでした。神さまはマザーテレサの働きをいつも助けてくださいました。病気やけがの治療の必要を感じている人たちをもっと助けるために、信徒の協力者をまとめ、ひろげていきました。
飢えのために、骨と皮だけになった人のあいだで、また寄生虫のためにおなかがふくらんだ赤ちゃんのあいだで、はたらいてきました。エイズ患者のために、「平和の家」を開きました。そうして聖人になって一九九七年になくなりました。そんなマザーテレサの生涯をえがいた聖なる絵本。(8・26刊、27×21/三二頁・本体一五〇〇円・女子パウロ会)

親子でいっしょに見る絵本をたくさん紹介

▼絵本で子育て――子どもの育ちを見つめる心理学 ▼秋田喜代美・増田時枝 文
子育てをするときに、親子でいっしょに絵本を見ることは、とても楽しい時間です。絵本を介してのやりとりが楽しいからこそ、子どもは「もう一回読んで」とせがむのです。そんな子どもの発達を、発達心理学の積み重ねてきた最新の知見をふまえつつ、絵本のなかに見られる子どもの姿から考える。たくさんの絵本を紹介しながら、子どもの育ちを見つめています。
ことばを話さないあかちゃんにとって、「泣く」ことは、とても大切なメッセージです。そのことを絵本をとおして考える。ふるまいも活発になって、かわいらしさを増す零歳児の子どもを見る眼が変わってきます。そして1歳。あっという間に歩けるようになって、子どもはまわりの世界が楽しくなってくる。お子さんといっしょに外に出てみると、子どもをもっと自由にしてあげられる。そんな絵本も紹介されます。こうして6歳までの子どもと見る絵本がならぶ、すてきな子育て絵本です。(11・10刊、四六変型判二四八頁・本体一五〇〇円・岩崎書店)

クリスマスツリーのおほしさまをさがしに

▼エリーちゃんのクリスマス ▼メアリー・チャルマーズ 作/おびか ゆうこ 訳
いまにも、ゆきがふりそうなけはい。ああ、ほうら、やっぱりふってきました。そりをひいていたエリーちゃんは、いぬのハリーにいいました。「ながぐつ はいてきて よかったね」。そりには、もみの木がのっています。いえでは、うさぎのアリスと、ねこのヒラリーが、かえりをまっていました。そうして、みんなで、クリスマスのかざりつけをします。いっしょうけんめい、ようやくおわりました。でも、てっぺんにかざる、おほしさまがないのです。エリーちゃんは、ほしをさがしに、もりにまよいこんでしまいました。そんなエリーちゃんの、クリスマスのお話。(10・15刊、18×18/二四頁・本体八〇〇円・福音館書店)







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