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評者◆三上治
意識的な生の現在的困難さ重信房子のアラブ行きは、宿命という他ない
日本赤軍私史――パレスチナと共に
重信房子
No.2934 ・ 2009年09月19日




 僕が重信房子にはじめて会ったのは1965年か1966年だった。確か彼女は詩を書いているということだったが、髪の長い少女という記憶が残っている。彼女の姿がもう少し鮮明になるのは、明大の学費値上阻止闘争が1967年の「いわゆる2・2協定」(明大学生会執行部が大学当局と学費値上げを認める協定を結んだ)によって無残な結果を引き起こし、その始末に彼女等が中大の学生会館に出入りしているころだった。彼女は笑顔が素敵な活動家になっていた。この1966年から1967年にかけての明大学費闘争や中大の学館闘争は、1968年を頂点とする全共闘運動や反戦闘争に大きな影響を与えただけでなく、後にブンドが赤軍派などの内部対立を生み出す契機も内包していた。「日本赤軍が生まれた時代」として触れられている第一章〈60年代~70年〉は彼女がやがて赤軍派に投企していく序章にあたるが、僕は彼女と話す機会はあまりなかった。その意味では彼女とは時代の中で交差しながら、すれ違って行った存在であった。同じ党派であり、近くの大学で活動していた親近感はあったが、気がつけば彼女はもう赤軍派の一員になっていた。振り返れば、こうした関係にはどこか悔恨のようなものが残るが、僕らはあの時代に多くの人とこんな風な関係だった。同じ党派や顔見...







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