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評者◆磯崎新
現在形の文革――草森紳一は、見立てることによる逸脱をこそねらいつづけていた:草森紳一著『中国文化大革命の大宣伝(上)(下)』を読む
中国文化大革命の大宣伝(上)(下)』
草森紳一
No.2930 ・ 2009年08月15日




 中国文化大革命がいまどんな距離をもってみられているのか。
 十数年間でしかないが、仕事で現代中国とつき合って戸惑うことばかり。四〇年昔の生々しい事態は、やっぱり封印されたまんまなのかと思うことがある。
 一九六八年五月に、私はミラノ・トリエンナーレでの『電気的迷宮』という作品によって、デザイナーとして、国際デビューした。これは、五月革命に巻きこまれ、壊された。三〇年後、領域横断するインスタレーションの先行事例として、再建され、ヨーロッパ各地をまわり、日本でも展示された。
 その頃、王明賢(『新中国美術図史1966-1976』王明賢・産姜錞著、中国青年出版社、二〇〇〇年)という美術史家・批評家と知り合いになり、范迪安(現在、中国近代美術館長)たちの尽力で、『電気的迷宮』(一九六八年)は北京、広州など四都市を巡回した。この『異議申し立て』作品には六八年の刻印があり、文化大革命とのかかわりをもって観てほしいと私は考えていたが、そうはいかない。北京ではまず、アンディ・ウォーホルのイメージに取り換えてあった毛沢東のポートレートや文化大革命を想起させる生写真は全部はずすように、と自己検閲させられた。ところが広州ではマオイストらしい批評家があらわれ、企画者を攻撃。聞く必要はないよ、と通訳...







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