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評者◆中山智香子
資本主義は生き延びるか?G・アリギ著『長い20世紀』を読む
長い二十世紀――資本、権力、そして現代の系譜
ジョヴァンニ・アリギ著/土佐弘行監訳、柄谷利恵子・境井孝行・永田尚見訳
No.2921 ・ 2009年06月13日




 二〇〇八年秋のアメリカの金融危機に端を発した世界的不況の波は、いまだ底を見せない。オバマ新政権が諸政策を打ち出し、先進諸国が超大手諸企業への救済措置を講じる中で、グローバリゼーションの名の下に繁栄を誇ってきた自由主義的経済システムは根本的な見直しを迫られ、市場と国家の関係はなし崩しに変わり、システムを支えてきた経済学も大きく揺らぐなど、世界の各所で大変動が起こりつつある。システムを主導してきたアメリカの危機に関していえば、ジョヴァンニ・アリギが一九九四年の『長い二十世紀』で分析していた覇権の解体が、ついに眼前に現れたかのごとくである。彼は同書を十五年あまり前、つまり七〇年代の終わりから準備し始めたというが、その頃からすでに現在の危機は見据えられていた。そんな息の長い仕事が豊穣な成果として結実し、アリギの代表作のひとつが生まれることになった。本書はその邦訳である。
 先ごろのニューレフト・レビュー誌には、盟友デヴィット・ハーヴェイによるアリギへの長いインタヴューが掲載されている。一九三七年、ミラノに生まれたアリギは、一九六三年にローデシア大学で経済学の教鞭をとり始め、三年後からはタンザニアの大学に移って、一九六〇年代のアフリカ諸国の独立と新植民地主義の問題を間近で体験した。そ...







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