書評/新聞記事 検索  図書新聞は、毎週土曜日書店発売、定期購読も承ります

【重要なお知らせ】お問い合わせフォーム故障中につき、直接メール(koudoku@toshoshimbun.com)かお電話にてバックナンバー・定期購読の御注文をお願い致します。

評者◆秋竜山
要はすべて集中である、の巻
No.2915 ・ 2009年04月25日




 本のオビに〈おかげさまで10万部突破!!〉と書かれてあった。当たり前のことだが、売れている本は売れているんだな!! と、思う。で、一つの冗談として、その書かれてある文字をじっくりみると。〈おかげさまで10万部突破!!〉の!!の後に〈予定〉という文字が小さくあった。なんだぃ!! 10万部突破予定だったのかい。それでは、売れているのとわけがちがう。もちろん、この本は、本当に10万部突破しているのだろう。山崎拓巳『やる気のスイッチ!』(サンクチュアリ出版、本体一四〇〇円)では、〈昨日のやる気を、今日出せない人へ〉とか、〈成功者たちは〝やる気のスイッチ〟を持っている〉〈「意欲」と「行動」の因果関係をやさしく解説しつつ普段から実践できる秘密の達成メソッドを紹介します〉。〈やる気が出ない時に〉には、様々な理由がある。理由なくなんとなくやる気が出ない、というのもあったりするかもしれない。やる気というのは非常にむずかしい問題であって、このような一冊の本になってしまうほどだ。本書の面白さは、全ページがノートに書かれてある箇条書きのようなスタイルをとっていることだ。まず読みやすい。核心にふれているから、スッキリしていて眠気をもよおすことはないから安心だ。〈モヤモヤノート〉でのスイッチでは、
 〈なんとなくやる気が出ない。どうやら心にキリがかかっているようだ。このなんとも言えない不安はなんだろう? そういう気分を放置すると、モヤモヤは化け物のように成長し、増殖する。感覚を鈍らせ、さらにやる気を奪っていくことになるだろう。そんなときは、紙に書き出してみる。憂鬱な気持にさせている原因もすべて。頭の中で処理するのではなく、実際に文字にしてみるんだ。(略)文字にしてみると「案外たいしたことがないなあ」と思うことがある。(以下略)〉(本書より)
 やる気のスイッチとして〈気になっていることを紙に書き出す〉ということである。書き出すことすら、やる気がないなんてことだったら、どーしましょう。〈やる気の正体〉でのスイッチでは、
 〈やる気の正体は「集中」であって「興奮」ではない。「集中」と「興奮」はよく似ているが、全然違う。「全身全霊」と「一生懸命」の違いでもある。「全身全霊のときのみ神意が働く」という言葉があるが、集中していると、自分の力以上の見えない力が働くのだ。興奮してテンションを上げるのではなく、集中して、「テンション高めの平常心」をキープする。〉(本書より)
 やる気のスイッチとして〈手を合わせて、集中してから仕事にかかる〉という。手を合わせるという形は、祈るような形かしら。食事の前に手を合わせて、「いただきます」というように子供の頃、親に教えられたが、手を合わせないで「いただきます」と声だけしかやっていない。手を合わせるということは集中することだろう。つまり、集中させる意味での手を合わせるということになるのか。要はすべて集中である。そのためには、まず手を合わせることから始まる。そして、「ごちそうさまでした」と手を合わせて終わるということになるだろう。毎日、手ばかり合わせていることにならないか、それが心配だ。







リンクサイト
サイト限定連載

図書新聞出版
  最新刊
『新宿センチメンタル・ジャーニー』
『山・自然探究――紀行・エッセイ・評論集』
『【新版】クリストとジャンヌ=クロード ライフ=ワークス=プロジェクト』
書店別 週間ベストセラーズ
■東京■東京堂書店様調べ
1位 マチズモを削り取れ
(武田砂鉄)
2位 喫茶店で松本隆さんから聞いたこと
(山下賢二)
3位 古くて素敵なクラシック・レコードたち
(村上春樹)
■新潟■萬松堂様調べ
1位 老いる意味
(森村誠一)
2位 老いの福袋
(樋口恵子)
3位 もうだまされない
新型コロナの大誤解
(西村秀一)

取扱い書店企業概要プライバシーポリシー利用規約