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評者◆編集部
こどもの本棚
こびとといもむし
肥塚彰 原作/黒崎義介 文・絵
フレーベル館
ミステリアスセブンス――封印の七不思議
如月かずさ 作/佐竹美保 絵
岩崎書店
はなこ 八月七日にひろったねこ なりゆきわかこ 作/垂石眞子 絵
ポプラ社
フローラのにわ
クリスティーナ・ディーグマン 作/ひしきあきらこ 訳
福音館書店
イースター物語
ボブ・ハートマン 著/ナディン・ウィッケンデン 絵/女子パウロ会 訳編
女子パウロ会
No.2915 ・ 2009年04月25日
●小人を天に運ぶ蝶々の恩返し
こびとといもむし 肥塚彰 原作/黒崎義介 文・絵 夏でも頂に雪が残る、高い高い山がありました。そんな山に、お花畑があったのです。たくさん花が咲いて、雪山とみごとな風景を生み出していました。そして、花のかげをそっと見ると、お家がならんでいます。小人が住んでいるむらだったのですね。そこに若い小人がいて、貧乏だったけど、とても気持ちの優しく、働き者でいつもニコニコしていました。 十五夜の夜、小人たちは山の広場に集まって、お月さまが兎につかせる餅を待っていました。でも、若い小人はたった一つ。家に帰る道すがら、いもむしが空腹で死にそうに倒れているのを見て、やさしい小人はそれをあげました。季節は変わり、お花畑は雪に覆われ、そして新しい季節がやってきました。そのとき、蝶々になったいもむしが、恩返しに小人を訪ねてくるのです。蝶々にのって小人は天にのぼります。戦争中に学徒出陣で亡くなった原作者が残した、いのちの物語。(2月刊、27×22cm、三四頁・本体一二〇〇円・フレーベル館) ○次々に起きる七不思議の物語 ミステリアスセブンス――封印の七不思議 如月かずさ 作/佐竹美保 絵 第七回ジュニア冒険小説大賞受賞作。七章からなる七不思議のミステリアスな物語が収められています。その一つ、「必殺シュートと七不思議」。学校の校庭で蹴ったボールが、二宮金次郎の石像を直撃した! 石像は腰から、まるで爆発したように砕け散りました。破片がガラガラと辺りに散らばっています。ボールは校庭を何度が弾んで転がりました。 上半身が粉々に砕け散った石像は、なにか巨大な怪獣に頭から食べられてしまったような感じで、無残な姿をさらしています。そして、な、なんと、二宮金次郎の生首が、うらめしそうにこちらを見ているではありませんか……。 「にっ、に、逃げろ――――っ!」 そうして次々に起きる七不思議。壊れた石像が、ミステリーの封印を解いてしまったのです。奇妙な物語へといざなうサスペンス、ミステリアス・セブンス=七不思議の世界が幕を開けます。(3・31刊、A5判一六八頁・本体一三〇〇円・岩崎書店) ●子猫との出会いと別れの物語 はなこ 八月七日にひろったねこ なりゆきわかこ 作/垂石眞子 絵 八月七日にひろった子猫に、「はなこ」と名前をつけました。夏の花ざかりにひろったから「はな」、女の子だから「こ」なんです。公園の花壇のなかにうずくまっていました。はなこの体はボロボロで、片方の目はつぶれていました。最初はおびえて、ご飯も食べなかった。でも、すっかり元気になって、とてもなついてくれました。ところがある日、姿が見えません。家族で探して、ようやく見つけたとき、はなこは車にひかれて道に横たわっていたんです。 とても落ち込んでしまって、ご飯ものどをとおらなくなってしまいました。おとうさんやおかあさんになぐさめられたり、励まされても、ますます声が出なくなって、だれもいない昼間のソファで、からだをまるめて横になり、目を閉じました。 するとどうでしょう。夢のなかに、はなこが出てきたんです。はなこの温かさに、つつまれました。 弟が黒猫をもらってきました。はなこの温かさと、くろねこの温かさをかんじました。わたしには、二匹のねこがいます。はなこはずっと、そばにいる。涙と悲しみと、そしてやさしさのにじむ物語。(3月刊、20×16cm、八〇頁・本体九〇〇円・ポプラ社) ○一人暮らしの女の子と生き物たちの家 フローラのにわ クリスティーナ・ディーグマン 作/ひしきあきらこ 訳 フローラという女の子の物語です。とても小さな女の子で、たった一人で暮らしていました。青い木の扉を開けて、草や花がいっぱいの庭をとおると、小さな家が建っています。そこに住んでいるのです。庭のいろんな花の名前を、フローラは知っています。どうぶつともなかよしです。カエルとはにらめっこ。ハリネズミとはかくれんぼ。テントウムシは朝の散歩でぞろぞろと列をなして歩いていきます。そしてツグミは、フローラのために歌を歌ってくれるのです。 実はフローラは、歌を歌ってくれるツグミのお礼に、ときどき巣のるすばんをしてあげるんです。リンボクの枝の上に巣があって、コケが敷かれたやわらかい巣のなかには、卵が四つ。フローラはそっと卵を見張っています。 昼寝をしていると、カタツムリが近づいてくる足音も聞こえる。風がそよくと、スズランがメロディを奏でます。ホタルブクロは鈴の音を鳴らします。そしてカエルは、フローラに泳ぎを教えてくれるんです。 そんなある日、緑の帽子にピンクのワンピースを着た女の子のリネアが訪ねてきました。生き物たちも集まって、楽しいお茶の時間がはじまります。(3・15刊、27×19cm、三二頁・本体一二〇〇円・福音館書店) ●イエスの受難と復活をいきいきと伝える イースター物語 ボブ・ハートマン 著/ナディン・ウィッケンデン 絵/女子パウロ会 訳編 イエスはエルサレムに王として迎えられました。しかし、それにもかかわらず、一週間もたたないうちに殺されてしまったのです。さっぱりわからなかったと著者はいいます。いつの復活祭でも同じだった。ユダヤの群衆はイエスを王として、歓呼のうちに迎えたことを祝ってきました。それがわずか五日後に、群衆は同じように教会に行き、かしこまって同じ席に座って、イエスの死を望むようになったのです。 いったい、何が起こったのでしょうか。なぜ、かれらはイエスを殺そうとしたのでしょうか。著者はその謎に挑みます。イエスの受難と死を語ることは、聖書のなかでも最も難しいことです。なぜなら、それはイエスが処刑へと向かうことだからです。あの深刻で厳粛な物語を、子どもたちに語り伝えるために、著者は生き生きと物語をえがきました。 この本には、読み聞かせのヒントや、ことばや身振りで物語を語るためのアドバイスが付されています。イエスが墓から出て、約束どおり、死んだ人たちのところから帰ってくる――イースターの物語を、すてきな挿画をさしはさみながら、くりひろげていきます。(12・25刊、四六判一一〇頁・本体一〇〇〇円・女子パウロ会) |
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